みぞれ、ゆき、花氷、吉野氷〔6840〕2022/01/06
2022年1月6日(木)みぞれ
今朝は、気温がそんなに低くないので、雪ではなくて、みぞれでもなくて、小雨。天気予報では、みぞれやったけど、小雨。小雨そぼ降る午前5時の工場。
みぞれで思い出すのは、かき氷。かき氷の、あの一番シンプルな透明のシロップをかけたやつ。あれを「みぞれ」と呼びます。たぶん、全国的に「みぞれ」。そうだと思います。
ところが。僕の記憶では、子供の頃、あれを「ゆき」と呼んでました。
「ゆき」と「いちご」と「レモン」やったっけ。あとは「氷ぜんざい」。家の近所の食堂では、そういう呼び名だったと記憶するけど、間違うちょったらごめんなさい。
でも確かに、今、みんなが「みぞれ」と呼ぶかき氷は「ゆき」でした。皆さんの記憶はいかがですか?
そこでウィキペディアを見てみました。それによると、戦前のかき氷は、砂糖をふりかけた「雪」、砂糖蜜をかけた「みぞれ」、小豆餡をかけた「金時」が普通メニューであったが、戦後、「いちご」や「レモン」のシロップが登場して「雪」は姿を消した、と書いてあるではないか。なるほど。でも、僕が子供の頃には確かに「ゆき」は姿を消してなくて、存在してました。それが砂糖をふりかけたものだったのか、「みぞれ」のことを「ゆき」と呼んでいたのかは記憶が曖昧なので、昭和30年代にかき氷を食べてた方に、聞いてみたいとしみじみ思う、冬の朝。
この寒いのに、かき氷の話もちょっとアレですが、今は暖房施設も行き渡り、真冬でもかき氷を提供するお店が当たり前になっているので、お許しください。
戦前には「雪」があった、という話が出たので、明治から戦前にかけて編纂された、僕の好きな冨山房の「大言海」を引いてみました。すると、ない。ないではないか。「かき氷」、つまり「かきごほり」という項目は、ありません。なので、明治大正と、かき氷は、そんなにポピュラーなものではなかったことが、わかる。
そこで「綴字逆順排列語構成による大言海分類語彙」で、「氷」が語尾につく単語を探してみました。そこにあったのは、「氷」「朝氷」「薄氷」「初氷」「花氷」「吉野氷」「夕氷」の7つ。なるほど。
「花氷」と「吉野氷」は、ちょっとわからない。そこで「大言海」で引いてみると。
はなごほり 花氷
氷の中へ、花を凍り込ませたるもの
風流やねー。そういうものが、辞書に乗るほど一般的だった時代って、なんか、いい。
よしのごほり 吉野氷
菓子の一種。吉野葛に砂糖を加へて、固めて製したるもの。色、白く、氷のごとし。
知らんねー。葛餅の、あんこが入ってないやつでしょうか。少なくとも大言海的には、かき氷よりも吉野氷の方が一般的だったと見えます。なるほど。知らんかったです。またひとつ、勉強になりました。
で、上に書いた「氷ぜんざい」についてもツッコミどころ満載なので、それについてはまた今度。世の中は、知らないことだらけで、楽しい。