34.4mを想像してみよう〔6744〕2021/10/02
2021年10月2日(土)晴れ
良いお天気が続きます。台風は東へ逸れてくれたので、高知では、少し波が立つくらいの小さな影響でした。まあ、良かった。
で、今朝は中村へ。お仕事です。途中、黒潮町の白浜で、撮影してみました。土佐くろしお鉄道の白浜駅。旧佐賀町白浜。ただ、白浜は、旧大方町の伊田村に属していたり、旧佐賀村に属したりとややこしい。昔は白田川村という村で、尋常小学校は白田川村伊田(旧大方町)へ、高等小学校は佐賀村(旧佐賀町)へ、と更にややこしい。
角川書店「高知県地名大辞典」には、こう書いてます。
「白浜が完全な幡多言葉(江戸言葉)、佐賀が高知言葉(京言葉)でアクセントを全く異にしている。」
つまりここは幡多弁の東端であり、佐賀からは土佐弁になる、ということ、らしい。土佐弁と幡多弁の境界。なるほど。
「高知県地名大辞典」にはもう一つ面白いこと書いてて、白浜の「白(シラ)」は、岩、碆を意味するアイヌ語の「シラル」とも言われてるんだそう。なるほど。
この海岸線は南北にまっすぐ伸びていて、海岸には岩礁が並び、海からすぐに山が屹立する地形になってます。この地形は、南海地震では、かなりの高さの津波の直撃を受ける予想になっています。
この、黒潮町の津波ハザードマップで、白浜界隈を拡大してご覧ください。この濃い紫は20m以上の津波が想定される場所であり、海抜20mちょっとにある土佐くろしお鉄道白浜駅も、津波浸水想定地域になります。避難場所は「白浜駅裏山」となってます。駅に貼られた表示によると、この駅の標高は21.2mで、この向こうのトンネルの上を通って逃げる避難場所の高さは39.4m。眼下に集落と太平洋を見下ろす、この駅が、津波に洗われるのであります。
黒潮町は、南海地震の津波で、最悪34.4mの津波が襲う想定が発表された町。もちろん全国でも、こんな高さの津波想定は、他にありません。
黒潮町のどの海岸が34.4mなのかは知らんけど、この海岸はどこもかしこも20m以上の想定なので、とにかく山へ山へと逃げるしか、ありません。
地震の際、心配なのは、地震の揺れで山が崩れて、避難路を塞いでしまうケース。これだけ急な山なので、いくつものルートを想定しておかんと危ない、と思いました。
必ずやってくる、南海地震。間違いなく襲ってくる、巨大津波。
34.4mと言われても、なんか、実感がわかんけど、それではいかんのです。今、まさに巨大地震が発生して、30mを超える巨大津波が襲ってくるのだ、というイメージを持たんと、いかんのでしょう。この駅が津波に洗われる風景。そう。想像してみよう。
Imagine all the people Living for today...
ではなくて、
Imagine all the people A tsunami is coming!