遠雷、霹靂、嚴之靈、秋雷、しゅうらいるー〔8215〕2025/10/12

2025年10月12日(日)曇り
今朝、東武自動車道を車で走って会社へ向かっていると、東の空で雷が光る。時折、ピカッと光る。遠い東の空、雲の間が幻想的に光るので、物部川の土手に出て撮影してみました。
光る瞬間を写真に撮るのは至難の技なので、動画で撮影して、光る瞬間を切り取ったのが、これ。野市の街灯りの上、雲間に輝く稲光がものすごい。ここには何かがいる。神がいてもおかしくない、そんな風景。
三省堂「新明解国語辞典」にも、
かみなり【雷】 「〔神鳴り〕の意」
と書かれてるように、雷様は神様の仕業であるとされてきた訳で、それはこの風景を見たら納得できるのでした。すごい。絵心があれば絵に描きたい、そんな光景。絵心ないけど。
明治ー昭和初期編纂、我らが大槻文彦先生の「大言海」には、こう。
かみ-なり【雷】〔雷鳴(カミナリ)ノ義、かみトノミモ云フナリ、いかづちノ語源ヲ見ヨ〕
空氣中ニ、電氣ヲ生ジテ發(オコ)ル、烈シキ響キ。夏時ニ多シ、強キ日光ニテ、地上ノ水蒸氣昇リテ、上空ノ冷空氣ト會ヘバ、収縮、凝結シテ電光ヲ發シ、雷鳴ヲ發ス、上下ノ電氣相合スレバ、霹靂(カントケ)、即チ、落雷トナル。カミ。ナルカミ。ハタタガミ。イカヅチ。
そう。霹靂。へきれき。「青天の霹靂」は晴れた空の雷。霹靂、書けますか?
で、気になる「いかづちノ語源ヲ見ヨ」を見てみました。
いか-づ-ち【雷】〔嚴之靈(イカツチ)ノ義、靈(チ)ノ條ヲ見ヨ〕
と、あります。そこで靈(チ)を見てみると、
ち【靈】神、人の靈(タマ)、又、徳ヲ稱ヘ賛メテ云フ語
なるほど。厳粛なる神の御霊、ということでしょうかね。ついてきてますか?
で、大言海にもあるように、夏の多いのが雷。今の季節、秋の雷は「秋雷」といい、季語にもなっております。秋雷。しゅうらい。
子供の頃、どういう訳か好きだった歌に、ピーター・ポール&マリーの「虹と共に消えた恋」がありました。
しゅうらいしゅうらいしゅうらいるー しゅうらいらくちゃく しゅらばまくー
と覚えてて、口ずさんでた変な少年。この語感が気に入ってたんでしょうねー。意味もわからず。歌詞を見てみたら、戦争の哀しさを謳ってたんですね。
今聴いてみたら、ぜんぜん「しゅうらい」ではありませんでした。