須崎のロマン、3年後に完結〔8001〕2025/03/12

2025年3月12日(水)晴れ
3年前の1月28日、高知新聞に載った記事を紹介しました。須崎市で「空海ゆかりの巨岩!?発掘」という見出しの記事。
現在のこの場所。平安時代はここまで海で、須崎湾に突き出した岬になっていました。岬には「波の二ツ石」と呼ばれた巨岩。山越えではなく岬を回って歩く人も多かったけど、二ツ石の箇所は足場が悪くて危険な為、足を滑らせて波にさらわれる事故が絶えなかったとのこと。そこに弘法大師がやって来て、水難防止、安全祈願で仏像を刻んで安置した、という言い伝えがあるんですね。その山側、大善寺というお寺さんの「二ツ石大師堂」の起源となった、言い伝え。
その後、土砂の堆積等で海岸線が沖へと進んで行き、現在では海岸から250mほどになってしまい、住宅地となりました。その「波の二ツ石」があるんではないか、とされる場所にも民家があり、長い間、調べることはできなかったそう。
そして。1995年に大阪から入寺した現在のご住職が、その言い伝えの「波の二ツ石」を見つけ出すことに執念を燃やすことになったのでした。なんと、「波の二ツ石」があると言い伝えのある土地を2017年に購入したんですね。すごい。そして、建っていた家を解体してユンボで掘ったところ、見事、巨岩がでてきたのでした。今から3年前の1月のこと。
その時の新聞記事も紹介したし、現地へも行って直接見てきました。
そして3年が経過し、ご住職の私費と寄付によって整備が為され、御影石でできた立派な大師像も据えられて、この度開眼法要が執り行われた、とのこと。すごいね。すごい。ロマンであり執念であり、溢れ出る思いだ。
今日は須崎方面に用事があったので、その場所に立ち寄って撮影してきたのが、この写真。その巨岩、手に触れることもできます。3年前、四万十帯なので砂岩かも、みたいなこと書いたけど、やはりチャートでした。こないだの八畳岩もそうやけど、高知で巨岩と言えば、チャートであることが多いのでした。さすが、チャート。
思ったよりも立派に見事に整備されてました。こりゃあ弘法大師もビックリだ。
1200年の昔、旅人が歩き、弘法大師が祈った岩。そう思うと、ここにあった海が見えてくる気がするよね。しませんか?