消えてゆくことば、変わることば〔7811〕2024/09/03
2024年9月3日(火)曇り
やっぱし9月。今朝は涼しいねー。さすがの地球も、季節は巡る。
今朝も高知新聞から。なかなか興味深いコラムがあったので。学芸欄の「お嬢さま言葉 盛衰たどる」。近代女性語に「てよだわ」言葉ってのがありました。明治大正の頃の女学生言葉、お嬢様言葉として使われていたといいます。その時代が舞台の少女漫画とかで、お馴染みやね。
お嬢様言葉、という感じやけど、そもそもは東京下町の言葉で、はすっぱな言葉とされてたというのは意外でした。それが、高等女学校が全国に広がる中で「国家の良妻賢母主義教育に反発するかのように、規範である『女らしさ』から自由であろうとすることば遣いが生まれ」、女学校というメディアを通して全国に広がり、また、女学校のお嬢様幻想から上品な言葉へと転換していった、という分析。なるほどね。「お嬢様幻想」というのが説得力あるよね。
左手の本は、つい最近買った「消えたことば辞典」。国語辞典として非常にポピュラーな「三省堂国語辞典」から削除されてしまった言葉だけを収録した辞典。80年間、9回の改訂で削除された1000語の言葉が、五十音順に掲載されてます。昔削除された、僕らにも馴染みのない言葉から、つい最近削除されたものまで。
まだ読み始めたところなので、「あ行」とか「い行」とかやけど、面白いねー。
「Iモード(アイモード)」は既に削除され、「赤電話」も、もう無い。「汗も」も、今はもう無いんですね。解説には「おできの一種」とあり、2014年に削除されてます。
「ア式蹴球」って、知ってます?1974年に削除された言葉で、association footballのことで、つまりサッカー。サッカーって「ア式蹴球」だったのでした。
携帯電話、スマホの普及で、2014年から「移動電話」の項目がなくなり、「歌本」も、過去のものとなったのか。
Iモードもそうやけど、寿命の短かった言葉で言えば「ウォームビズ」もあるね。MDプレーヤーも、コギャルも、三省堂国語辞典からは消えてます。
こないだ、土佐弁と標準語で、同じ言葉でも意味が違う場合がある、という話を書きました。で、そこには書かんかったけど、高知では年配の方がアイスクリームのことを「ケーキ」と呼びます。この「消えたことば辞典」では、「アイスケーキ」という項目が2008年に削除されてました。「牛乳の脂肪分が3%以下のアイスクリーム」を「アイスケーキ」と呼んでいた時代があったのでした。高知でアイスクリームのことを「ケーキ」と呼んでいたのは、それと関係あるのかないのか知らんけど、今はもう「ケーキ」を使うのは年配の方だけやねー。
昨日の晩、新学期が始まったというニュースで、小学生のインタビューが流れてました。今の子たちの土佐弁は、僕らの頃の土佐弁とは全然違うね。もう、「せられん」のような土佐弁は、現代土佐弁辞典からは消えていくんだろうか。それはそれで、ちょっと、寂しい。