「せられん」と「タタキ寄席」〔7808〕2024/08/31
2024年8月31日(土)晴れ
台風10号にはやられました。まだ、本州方面への物流の後始末に追われてます。すっかりおだやかなお天気になったのに、四国島内のJR特急は動いてないしね。近年、台風接近手前からの対策が講じられるようになり、安全対策は厚くなったけど、今回の台風は今までのマニュアルが通じない動きで、世の中を翻弄した感があります。実は今、岡山駅。新幹線は動いておるものの、在来線は全面運休。外は晴れてて良いお天気。不思議な光景が広がっています。こんな台風もあるんだ、という教訓を、今後に活かさんといけません。いや、地球の営みは難しい。人類の浅い知恵なんぞ、軽く超えてくる地球の営み。
さて。昨日、「時化」の話題から土佐弁と標準語と「ら」抜き言葉の話になりました。で、久々に聴いた「せられん」。いいねー。やはり名曲。高知のご当地ソングの金字塔。よくできてます。
YouTubeのコメントにもあるように、この女性の声の土佐弁が最高。こんなおかあちゃん、おりますもんね。で、二人称で呼ぶ時は「おかあちゃん」で、最後にでてくる一人称、つまりおかあちゃんが自分のことを言うときは「おかあさん」という細かい配慮が堪りませんな。
あと、この1分27秒くらいのところに出てくるおんちゃんのセリフ。字幕では「アメリカへでも行くがかよ」になってますが、音声は「アメリカがでも行くがかよ」みたいに聞こえます。これだ。これが、高知のおんちゃんの土佐弁だ。
思い出したのは、「司亭升楽のタタキ寄席」。土佐料理「司」提供で、RKCラジオで放送されておった「司亭升楽のタタキ寄席」の貴重な音源を、僕は持っているのでした。1970年代でした。いわゆる「土佐落語」を語る師匠、司亭升楽(つかさていしょうらく)さんが、土佐の各所に残る伝承や逸話などを題材に、濃い濃い土佐弁で語る落語は、今となっては貴重な貴重な文化遺産。
この司亭升楽さんの語り口の中に、「○○がでも行くがかよ」みたいなセリフがあったと記憶するので、久々にCDを引っ張り出してきたのでした。
いちぢゃもの~ お~ いちぢゃもの~~
司の料理は いちぢゃもの~
来てみいや~ あ~ 飲んでみや~~
司の料理は いちぢゃもの~
「高知で一番高知らしい店、土佐料理の司の提供で、ご機嫌を伺います。司亭升楽のタタキ寄席」
というセリフで始まり、1話4分ちょっと。このCD1枚に5話で、合計10話のタタキ寄席音源が、手元にあるのであります。著作権はRKCさんにあるので、公開はできんけど。
ただ。公開できるとしても今の時代のAMラジオとかは無理やねー。セクハラ・パワハラ・下ネタが、すごい。いや。時代ですな。
この語り口、高校の同級生で、南国市前浜出身の整形外科医、H君そっくり。昔ながらの土佐弁って、これだ。今の若者にはなくなった土佐弁の語り口。
司亭升楽さんの後継者って聞かんですねー。「せられん」も「タタキ寄席」も、土佐の文化遺産として残していきたいね。
そんな訳で、8月も終わり。夜明け前の空高く、オリオン座が輝くようになりました。季節は着実に、秋へ。