「しけ」と土佐弁と「せられんせられん言うたろー」〔7807〕2024/08/30
2024年8月30日(金)風雨
いやな台風やねー。台風10号は、本日、高知県を勝手に通り抜けて明日朝には紀伊半島といった感じの予報。配送物流には多大なる影響が出ております。はやいこと、通り抜けて欲しいね。いや、本当に。今日もずうっと時化模様の、高知県。
時化。しけ。昨日、時化について書きました。「大言海」の「志け」を引用したりしながら。で、僕が以前から台風のような天気模様のことを「時化」と呼んできたのは誤用だったのかどうだったのか、という話を書いたのでした。現代日本では一般的に、「時化」は海が荒れることを意味する訳で、通常の荒天のことを言わないから。
すると、土佐弁に詳しい知人Oさんから嬉しい情報を頂きました。「時化」を陸地で天候が荒れる場合に使うのは、土佐弁の方言的用法である、と。そうか。方言やったのか。考えてみたら、僕の家族や友人も、普通に荒天のことを「時化」「しけ」と呼んでたもんね。そうか、土佐弁やったのか。安心しました。Oさん、ありがとうございます!
同じ言葉でも、標準語と土佐弁で意味することが違うことって、よくありますよね。
例えば「うるさい」。土佐弁の「うるさい」は、しんどくて辛い、といった意味で使われることが多いよね。
そして。代表的なのは「ら」抜き言葉関連言語でしょうか。
以前、最近の人たちはちゃんとした日本語を喋らずに、「可能」の意味の「見られる」「来られる」等を「見れる」「来れる」などと表現するようになって、嘆かわしいといった議論がありました。大文化庁様のホームページにもあるね。しかし。高知では、昔から見ることができるのは「見れる」だし、来ることが可能な場合は「来れる」だ。何が「ら」抜き言葉だ、と多くの土佐人が憤慨していたのかどうかは知らんけど、とにかく土佐では昔から「ら」抜きなのである。
で。土佐で「見られません」というと、「見てはいけない」という意味になります。「来られません」は「来てはいけない」。
「せられんせられん言うたろー」は、大野研二さんの名曲。これ聴くと、土佐弁の「ら」あり言葉の用法がよくわかる。いや、久々に聴いたけど名曲やねー。知らんかったけど、我らが三山ひろしさんもカバーしちょりました。すごい。おかあちゃんのセリフを島崎和歌子さんにやってもろうたら完璧だ。
そんな訳で、今日一日は「時化」模様のお天気が続く高知県地方。対策対応は万全に。被害のないことを祈るばかりの、朝。