バラスト運搬車とマルチプルタイタンパー〔7769〕2024/07/23
2024年7月23日(火)晴れ
このクソ暑い中、東京と大阪の間を往来された皆さん、お疲れ様でした。昨日の東海道新幹線保守車両衝突事故、影響が凄まじかったねー。浜松駅と名古屋駅の間をとんでもない混雑の在来線に乗るとか、北陸新幹線経由で行くとか。高速バスや飛行機は瞬時に満席になったみたいで、とにかく大変だったようです。
昨日、ニュース映像を見て、バラスト運搬車が事故を起こしたことはすぐわかりました。で、その運搬車が衝突した相手の保守車両を見ると。おう。マルタイだ。マルチプルタイタンパー。先日、後免駅に停まっていたのを撮影、紹介しましたね。
今朝の記事には「レール周辺にまいたバラストを突き固める車両」と書いてました。それがマルチプルタイタンパー。新幹線の線路保守にも使われてる軌道幅のマルタイもあるんだ、と思ったけど、オーストリア製のマルタイ、標準軌の新幹線軌間車両がデフォルトで、日本の在来線の狭軌で使われる車両がイレギュラーなんでしょうね。
東海道新幹線には、盛土の路盤にバラスト軌道、というのが多いみたい。これは、在来線の建設の延長線上で考えた結果。高架橋でつくるより盛土路盤の方が安上がりだった、という理由もあります。ところが。
いざ東海道新幹線を開業してみると、冬季、関ヶ原とかでの積雪地帯で雪を巻き上げて車両床下に固着、それが暖地へくると融けて落下し、バラストに激突して飛散させ、床下機器や近隣家屋に被害を与える、という事態が生じたのでした。雪が降ると関ヶ原で徐行運転し、遅延が発生するのは、こんな理屈。
そこで、東海道新幹線以後に建設された新幹線では、基本、高架軌道でありスラブ軌道でつくることが基本になったのでした。今日の話は、ここがネタ元ね。
スラブ軌道は砕石のバラストを使用しない、鉄筋コンクリートの軌道ね。バラスト軌道とスラブ軌道の違い、長所短所は、この動画に詳しいので興味がございましたら(そんな方は少ないと思うけど)ご覧ください。
マルタイ。マルチプルタイタンパー。こんな感じでバラスト軌道を突き固め、線路の歪みなどを防ぐ優れ物やけど、これにバラスト運搬車が衝突した訳だ。まだ原因は調査中で、ブレーキが効かなかった、という話もあるみたいやね。
マルタイ以前は、電気ドリルみたいなのでやってた突き固め作業。それ以前は、この動画の3分6秒くらいのところでやっている、ツルハシで歌いながらの作業。新幹線でこれやってたら大変やねー。
長過密ダイヤで運行しながら、土盛路盤バラスト軌道を効果路盤スラブ軌道に切り替えるのは不可能なので、東海道新幹線では、これからも必須となるバラスト交換と突き固め。保守作業は本当に大変やけど、安全にお願いします。
写真は今朝の後免駅。こないだからこの車両が停まってます。なんの作業車なんだろう。なんとなく、線路の関係ということはわかるけどね。
東海道新幹線、今日は始発から平常通り動いているようです。良かった良かった。