春の雨、小糠雨〔7636〕2024/03/12
2024年3月12日(火)雨
歳時記では、3月下旬から4月上旬にかけての菜の花が咲く頃に降り続く雨のことを、菜種梅雨と呼ぶそうですね。冬場に強力だった大陸の高気圧が弱まり、太平洋高気圧が強くなってくることで、その境目に低気圧の前線ができて長雨を降らせる、という仕組み。
なので、高知ではかなり前から菜の花は満開やけど、今朝の雨は菜種梅雨ではない、ということになる訳だ。週間予報見ても、今日の午後からは概ね晴れますきんね。そんな訳で今の季節の貴重な雨。昨夜から、結構しっかり降ってます。
こんなページがありました。これによりますれば、立春から3月初めにかけての雨が「春の雨」で、その後の3月下旬から4月にかけての、地雨のようなしっとりした雨が「春雨」。はるさめ。「春の雨」と「春雨」は違うのである。、つまり今朝の雨は「春の雨」ということになるんでしょうかね。
「春雨」と言えば月形半平太で、
「月様、雨が・・」「春雨ぢゃ。濡れてゆこう」の春雨はしっとりした雨だったのでした。それでも、長時間濡れたらパンツまでグショグショに濡れてしまうでしょうか。パンツは履いてなかったと思うけど。
あと、春に降る雨については、たくさんの表現があるんですねー。日本人、雨についてはなかなかに敏感。雨が多い国だからでしょう。桜が咲く頃合の雨についても、たくさんの名前がつけられてます。「桜雨」「花の雨」「花時雨」「春霖」「発火雨」。どれもこれも、しとしと降る雨の雰囲気やね。
あと、春に少しだけ降るのが「軽雨」。冬に積もった雪を融かすように降るのが「雪解雨(ゆきげあめ)」とは、また風流やねー。花の育成を促す「催花雨」「養花雨」「育花雨」なんて知ってました?
そして「小糠雨(こぬかあめ)」。もちろん「小糠雨」で多くの日本人が連想するのは欧陽菲菲でしょう。「雨の御堂筋」は、僕ら世代なら誰でも歌えます。
♪こぬか雨降る 御堂筋 こころ変わりな 夜の雨~
とありますねー。
「小糠雨」「ひそか雨」「ぬか雨」は、春先にしとしと降る霧雨のこと。季節は今くらいやけど、今朝の雨はしっかり降っているので「小糠雨」ではありません。
で、この女性が小糠雨に濡れながらどこをどう歩いたのか。歌詞にはこうあります。
♪梅田新道 心斎橋と 夜の歩道は淋しく光る
そしてこうもあります。
♪本町あたりにあなたはいると 風の知らせを背中で聞いて
そして全曲を通じで「南へ歩く」モチーフが通底していることに鑑みて、こういうことがわかってきました。
ここが梅田新道。ここから本町へ歩く。そして少なくとも心斎橋まで歩いていますね。Googleマップで検索すると、こんな感じ。梅新の交差点から新桟橋のセブンイレブンまで。2.7kmで、徒歩39分。これくらい歩いたら、いくら小糠雨とは言え、パンツまでグショグショだ。ただ、「心変わりな夜の雨」なので、突然やんだりもする小糠雨。いろんなことが想像できるね。どうでもいいですか?