竜神のエノキ〔7576〕2024/01/12
2024年1月12日(金)晴れ!
辰年にちなんで、高知新聞では、「わがまち竜探し」という連載をやってますね。一昨日の「わがまち竜探し(5)」では、香南市夜須町夜須川の「竜神のエノキ」が紹介されてました。知らんかったです。行ってみると、確かに、素晴らしい龍が、県道沿いでのたくってました。
このお宮さんは海津見神社やけど、元々は「竜神様」と呼ばれ、地元で大切にされてきました。明治維新の神仏習合で、海津見神社になったんでしょうねー。
社殿には、かの絵金さんの手による板絵馬「頼光と酒呑童子」が掲げられていたそうやけど、平成16年1月の不審火で焼失したんだそう。今掲げられているのは写真版。罰当たりな輩も居るもんだ。きっと、そいつには、竜神様の怒りが襲いかかっておることでしょう。
この、横に長く延びた榎の巨木。樹齢は400年といいます。新聞記事にもあったように、太平洋戦争末期に軍用資材運搬の妨げになるということで、一度は伐採がl決まりました。しかし、地区の猛反対で免れました。当時の、絶対的であった軍の命令に逆らうほど、それほど大切にされてきた御神木。
これ、恐らくは、まだ小さかった頃から、横に伸びる幹を下から支えるつっかい棒をしてきたんでしょうね。見るからに「竜神様」。
そして、道路の下、野須川の河原に開いた、四角い穴。このコンクリートの擁壁ができる前は、ここは石垣で、その石垣に開いていた二つの穴を、そのまま継承したものなんだそう。「竜王様の通り道」。竜神様はこの穴を通って香我美町の方へと往来している、らしい。なるほど。
20年ほど前に枝が生えなくなり「枯れる」と診断されたこのエノキ、竜神様の力で持ち直し、再生したとのこと。流石だ。
榎。エノキ。竜神様とエノキは縁が深いみたいですね。大阪千日前には、榎龍王神社が鎮座ましましてます。そうそう。僕が少年時代を過ごした高知市与力町。会社の社宅の北側には松渕川公園。そこには、僕が生まれる頃まで松渕川という堀川が流れてました。公園の東側にあったのが、エノキの樹。その下に祠があったけど、あれは龍神様だったんだろうか。
松渕川公園で遊んだ少年たちの間には、松渕川公園を掘ると大蛇の骨がでてくる、といった話が、まことしやかに流布していたものでした。榎と龍神様の話が、そんな風に変化していたのかも知れません。