更新世段丘の隆起と空と海〔7506〕2023/11/03
2023年11月3日(金)晴れ
今日から3連休の方も多いでしょうね。ニッポン列島、よく晴れて気温も上がっているみたい。善き哉善き哉。
今日は所用で、田野町へ行ってました。高知県東部、四国で一番面積が狭い自治体、田野町。で、ここは帰りの安田町。海沿いの国道55号線。行楽客でしょうか、結構、交通量も多くなってます。
正面に見えるのは大野台地。大野台地の西側半分は安田町で、東側半分が田野町。今日はその、東側田野町分の大野台地へ上っていました。標高は約70m。楕円形の台地の上は平べったい土地で、水捌けが良いので芋とかの栽培に適しています。
向こうに見える岬は羽根岬でしょうか。海成段丘が見事に見えています。見えますでしょうか。あの山の中腹に集落が伸びてます。そう。最終の間氷期に、浅海底で堆積した平らかな地面が、10万年以上の時の流れの中で隆起してできた段丘。あの、羽根岬の段丘の上は標高が90m~100mくらいあります。山の上に、驚くほどに平らかな場所があって、集落があり、畑が広がる。
その名も「平」という集落があり、そこは、見事なコスモスとたくさんのユニークな案山子で近年有名になってきてます。
あの羽根岬の向こう側には、標高130m~140mの段丘、西山台地があって、おいしいさつまいもが穫れるので有名。キラポテトとかね。
そしてその向こうに標高150m~160mの室戸岬。
そう。今紹介した台地は、すべて更新世段丘。普通、最終氷期の更新世段丘は10mとか20mとか30mとかの高さ。江戸城の武蔵野台地とか大阪城の上町台地とかね。最終氷期の海水面の高さはその辺だったので。
それが、こんなにも高い標高になっているのは、以前にも書いたけど「隆起」によります。南海地震の度に、室戸と足摺は隆起し、高知市は沈下する、その運動によって、室戸に近い段丘ほど、標高が高くなっているのでした。
こないだ、室戸の「室戸世界ジオパークセンター」に寄ってました。なかなか素敵な施設ができてます。この、海成段丘の隆起のことも書いてくれてましたが、こういった段丘の、東西の標高差とフィリピン海プレートの動きなんぞを説明してくれると、もっと嬉しいですね。
300万年前、北上していフィリピン海プレートが太平洋プレートにぶつかって、少し西向きに方向を変えたことが、今の四国にいろんな影響を与えているのであります。
空海さんが、御厨人窟という海蝕洞で修行し、のちの「空海」という偉大な宗教者となっていったのも、その西向き成分のお陰。隆起しなかったら海蝕洞には海水が入り込んでますもんね。
などと妄想広がる秋の日よ。どこまでも青い空と海が、妄想を暴走させてくれます。