ありがとう駅〔7497〕2023/10/25
2023年10月25日(水)晴れ!
今朝も「ごめん・はなり線」。
ここは後免町駅。JR土讃線の後免駅を発車した汽車は、最初にここに、停まります。ここは、ご承知のとおり、とさでん交通の電車の終点でもありまして、乗り換えができるようになってます。
「ごめん・はなり線」は、こんな感じでほとんどが高架になっているので、車窓からの景色がとても素敵な良い路線。
右端に、やなせたかし先生デザインの「ごめんまちこ」さんが立ってますねー。6:22発の始発列車が朝日の方へと出発していく、後免町駅。
そして、左端の柱に「ありがとう駅」と書かれているの、見えますでしょうか。これこそ、やなせ先生のメンタリティ。やさしくて、思いやりがあって。そんな思いが溢れる文章が、その下に書かれています。転載しますね。
ごめん駅があれば
ありがとう駅もほしい
ごめん駅とごめん町駅では
まぎらわしい
ごめん町駅の愛称を
ありがとう駅にすれば
ひびきあう
ふたつの美しい言葉
ごめん ごめん
ありがとう
ありがとう
ありがとう駅
やなせたかし
やなせたかしさんは、詩人。有名なところでは「手のひらに太陽を」でしょうか。この歌詞。1961年、やなせたかし作詞、いずみたく作曲、宮城まりこ歌で、NHKみんなのうたでは採用されて大ヒットした名曲。もちろんアンパンマンが登場する遥か昔やけど、こういった才能は、もう迸っているんですね。やなせさんの「心根」が、こういった歌詞を産みだすんだと思う。
そうそう。あの「アンパンマンのマーチ」も、もちろん作詞はやなせたかし。テレビでのオープニングで歌われるのは一部やけど、実際はこんな歌詞が並んでいます。
やなせ先生がアンパンマンを生み出した背景には、その従軍経験がある、と言われてます。ウィキには、戦時中、プロパガンダ製作に関わっていたことから「正義」というものがいかに信用し難いものか痛感し、格好いいヒーローが悪者や怪獣を徹底的にやっつけることに疑問を抱き、飢えや空腹を苦しむものを救わない。「人生で一番つらいことは食べられないこと」
そんな背景、想いから生まれたというやさしいヒーロー、アンパンマン。
この誕生の経緯は、ウォルト・ディズニーがミッキーマウスを生み出した話よりも、ずっと、深い。
権利関係があってなかなか難しいとは思うけど、ディズニーランドの会場をまわるモノレールみたいに、アンパンマンでラッピングされ、車内もアンパンマンだらけの列車、走らせたいねー。
その列車がここを走る時は、この駅は「後免町駅」ではなくて、「ありがとう駅」。