ボーロク峠、嘉助道、七ツ淵〔7452〕2023/09/10
2023年9月10日(日)曇り
久々のボーロク峠。高知市の北に聳える北山の、峠。通常、車で北山を越える峠と言えば小坂峠。標高313m。正蓮寺のゴルフ場近くの峠と言えば、高知市民にはピンと来る。
そんな車で通れる道ができる前は、「嘉助道」と呼ばれる山道がメインルートだったと言います。そもそも明治27年~28年に、土佐山の和田嘉八さんという人物が、高知へ向かう道を独力で切り拓いたもの。当初の嘉助道は今とは違う道だったようで、その後、ボーロク峠を通る近道が切り拓かれてそれも嘉助道と呼ばれるようになり、大正から昭和の初期にかけて、大変大変賑わう道になった、という歴史。
中でも、七ツ淵神社の祭礼の際は、夜通し参拝客が途切れることがなかったという嘉助道。その祭礼は、毎月12日から13日にかけて。毎月。数千人の参拝客が夜通し歩く。嘉助道には電燈が連なり、露店が並ぶ。今では想像もできない風景が、嘉助道からボーロク峠、そして七ツ淵まで連なっていたのでした。戦争前まで。
以前にも書いたけど、僕の父が通っていた小学校には、七ツ淵から毎日集団で子供達が登校してきていたと言うてました。嘉助道を歩いてね。昔の人はすごかった。
その賑わいの痕跡として、今も、ボーロク峠には茶店が残っています。とは言え、今は自販機だけ。でも、かつての賑わいを妄想することができる、そんな茶店の風景。
七ツ淵神社は、平家の落人伝説に彩られた景勝地に鎮座まします。こんな感じで何段にもなった淵が滝でつながり、幽玄な雰囲気を醸し出す。その七ツ淵に伝わる伝説は、今から10年前のにっこりで紹介してますね。白鷺を源氏の襲撃と間違えて入水する、という悲劇の伝説。
その、10年前に紹介した写真には、赤い橋の欄干と神社本殿が写ってます。あの橋は、数年前の大雨の際に流された、と聞いてます。ニュースでやってました。地球の営み、恐るべし。今朝、ストリートビューで見てみると新しい立派な橋が架かってますねー。さすが、七ツ淵神社。
地質図みると、七ツ淵のところの東西に丁度断層が走ってますな。七ツ淵の美しい景観も、その断層の運動によってできたものでしょう。フィリピン海プレートの沈み込みが醸し出す、美しい風景。
このボーロク峠は望六峠で、東西南北に上と下で全部で6方、つまり、すべての方向を望むことができる美しい峠。小坂峠から望六峠、椎野峠などが連なる北山の尾根も、フィリピン海プレートの沈み込みによってできた尾根。
地球の営みは恐ろしいと同時に、美しいね。