高知市の縄文〔7394〕2023/07/14
2023年7月14日(金)薄曇り
蒸せるねー。昨夜の寝苦しかったこと。天気図とか週間予報とか見たら、もう、高知は梅雨明けしてもいい感じやけどね。それでも湿度は高くて、蒸せます。
ここは五台山。会社から高知市内へ行く途中、車で立ち寄って撮影してきました。こないだまで展望台があった界隈、きれいに整備しましたねー。「らんまん」になんとか間に合いましたね。展望台跡地は、また新しく整備される予定やけど、今は更地になってて、「らんまん」の観光客を迎えております。
この写真は、旧展望台の替わりに建てられた木造の展望台上から撮影したもの。僕の希望通り、界隈の樹々が伐採されて、なかなかの眺望になりました。
ここからの眺望の魅力は、高知の市街地が一望できることやね。眼下に広がる高知の市街地。右手に北山、左手に南嶺。鏡川によってつくられた扇状地に広がる市街地。
この市街地。中世の頃まで湿地帯で、古代には浅い海だった。縄文の頃まで遡り、縄文海進の時代になると、今よりも5m以上は海水面が高かった訳で、辺り一面の海だったことが想像できます。そんなこともあって、市街地には、古代以前の遺跡はありません。海だったから。
周辺の丘や山をみると、弥生や縄文、そして旧石器時代の遺跡がない訳では、ない。少ないけどね。
こないだ、上黒岩岩陰遺跡を紹介したときにも書いたけど、土佐には縄文遺跡、少ないです。が、この高知市にも、どうやら縄文早期の可能性がある遺跡が存在します。初平ヶ岩屋洞穴遺跡。
その遺跡は、この右手の北山、旧土佐山村菖蒲にあります。土佐山村菖蒲と聞けば、高知市民は菖蒲洞を思い浮かべるでしょう。思い浮かべませんか?思い浮かべないかも知れません。思い浮かべよう。
菖蒲洞。この石灰岩層にある洞窟で、その入り口付近からは弥生式の土器が出土してるので、龍河洞と同じやね。その菖蒲洞の上方35m,にあるのが、初平ヶ岩屋洞穴。ずうっと弥生遺跡と思われてた遺跡やけど、2001年の調査で、アカホヤ火山灰層の下から土器の小片が出土したのでした。アカホヤ火山灰層というのは、南九州全域の縄文集落を火砕流でアッという間に壊滅させた鬼界カルデラの巨大噴火によってもたらされた火山灰の地層。その噴火は7300年前であり、その火山灰層の下から出土したということは、それよりも前の時代、つまり縄文早期の土器なのではないか、と推察できる訳ですな。
上黒岩岩陰遺跡は、石灰岩の岩陰遺跡。なので、アルカリ性土壌が、人骨を現代まで残してくれました。佐川の不動ヶ岩屋遺跡も石灰岩層で、初平ヶ岩屋洞穴遺跡も石灰岩層やけど、未だ、人骨は見つかってません。いつか見つかるといいね。
その岩屋洞窟で暮らしていた人々は、どんな人だったのか。どんな暮らしをしていたのか。鬼界カルデラの大噴火は、この界隈にも20cmの火山灰を積らせたというけど、その降灰をどんな気持ちで見つめていたのか。
五台山から高知市を眺めながら、そんなこと、考えました。
いや、そんなこと考えてる場合ではなくて、仕事仕事。暑いと牛乳は、よく売れます。