地域のまんなかに白花栴檀〔7333〕2023/05/14
2023年5月14日(日)小雨
このにっりでは、栴檀について、幾度も幾度も書いてきました。通っていた小学校にも、家の真ん前の公園にも、天神橋の袂にも、鏡川の土手にも、そして高知城の板垣退助さんの横にもある、高知県人にとっては身近極まりない木、栴檀。おうちの木。洗濯物干すくらい、お馴染みの木。まあ、この栴檀と「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は種類が違うよ、みたいな話も何度書いたことやら。
で、今、栴檀の花は盛りを迎えていて、美しい薄紫の花を咲かせまくっています。かの、南方熊楠さんが愛したという栴檀の薄紫。
そうそう。南方熊楠さんと我らが牧野富太郎博士との間には親交があり、植物に関してやりとりした書簡も残ってます。そして牧野博士が愛したのが、薄紫ではなくて純白の花を咲かせる「白花栴檀」。その名で呼び始めたのも、牧野博士と言われています。もう、そのまんまの名前、白花栴檀。
白花栴檀についても、このにっこりでは幾度か取り上げてきました。鏡川の土手に咲く、純白の栴檀の花。あの白い花を咲かせる栴檀の樹は、神谷小学校の校庭に咲く白花栴檀の木から接木してきたものだ、という標識が以前あったと思うけど、今はもう、見当たらない。でもたぶん間違いなく、そうだ。どこにもかしこにも咲くものではない、白花栴檀。
そして今日。その、いの町神谷の神谷小中学校で「白花栴檀のお花見会」という催しが開かれるというのでやって来ました。地元の有志のみなさんが、手作りで開催されているお花見会。これのお世話をされている方々の中に、僕の高校時代の恩師、I先生がいらっしゃいまして、お誘い頂きました。お誘い頂いたのはだいぶ前になるのですが、それからコロナになってしまい、やっと今日、訪問が実現できました。いや、見たかった、オリジナルの白花栴檀。今満開の、白花栴檀。隣の薄紫の栴檀も見事で、そのコントラストが美しさを際立たせる。
突然変異なんでしょうかね。これを見た牧野富太郎博士もビックリしたでしょうか。このページに、牧野博士が「若木は他にみることができるが、これ程古い時代のものはかつてみたことがない」と驚いた逸話が書かれてます。貴重な古木、神谷小学校の白花栴檀。今日はその巨木の美しい白い花を愛でながら、たくさんの人々が集まってます。いろんなもの、売ってます。途中から晴れてきて、気持ちの良い神谷小中学校校庭。
そんな白花栴檀の名を冠したお菓子があります。高知一のお菓子屋さん、浜幸さんのおまんじゅう「白花栴檀」。そのホームページに、栴檀の、そして白花栴檀の由来が詳しく書かれています。ここに書かれている、神谷小学校で拾ってきた実を鏡川の土手に植え、実生で育てていたという話。その栴檀と、今、土手の生えている白花栴檀のつながりは、わからない。でも、そこに込められた想いは伝わってきます。
そしてこのページで語られている「こごしかる・・」の話に出てくる栴檀並木は、今、2本だけになっている話、以前にも書きました。いろんなとこでつながってくる、栴檀の話。
そうそう。ここは、神谷と書いてこうのたにと読みます。香川の神谷神社はかんだに神社やったけど、ここはこうのたに。
お天気、よくなってきました。なにより、地域の皆さんの、この白花栴檀にかける思いが伝わってくる、すてきなお花見会が開かれています。