磯あそびと酪農の将来〔7296〕2023/04/07
2023年4月7日(金)雨のち晴れ
磯あそび。幡多酪農組合さん恒例の、イベント。年に一度、この季節、高知県西端の大月町の海岸で、貝を採ったりバーベキューしたりする催し。ずうっとやってて、コロナで中止になったのは2020年だけ。去年も、一昨年も、やりました。
酪農組合の組合員さんに、弊社や酪農関連業者さんなどが集まっての「磯あそび」。こういう取り組みって、大事だと思う。これからの日本の酪農を考えたとき、重要になってくるのが、こういった取り組み。
先日東京で、Jミルクさん主催で「2022年度酪農乳業の国際比較研究会」というのが開催されました。不肖わたくし、パネルディスカッションのパネラーとして参加させて頂き、色々と発言致しました。今回は、英国とオランダの酪農事情の調査研究結果をもとに、いろいろと議論するというもの。酪農先進国である英国やオランダの酪農の現状と、日本の現状を比較する。そして、これからの日本の酪農のあり方を考える。そんなシンポジウム。
言えることは、どの国の酪農も、コロナと戦争で大変。一番違って見えたのは、酪農というものに対して金銭面も含めて国がコミットしているのが、欧州。そのかわり、国や乳業、小売が、酪農のあり方に対してかなり深く関わりを持っています。特に、環境問題。すごい。二酸化炭素やチッ素の排出や、アニマルウェルフェアなど、非常に厳しい規制や要求があるなか、それでも元気に前向いて酪農をやっておられる風景が、そこにはありました。
生乳の取引形態や方法が全然違うのは、酪農の歴史の違いからきてるのでしょうか。日本の場合、酪農家と乳業の間に生産者団体が入り、そこで乳価などの様々なことが決められています。英国やオランダでは、乳価や、乳価のインセンティブに、乳業メーカーや小売が関わる例が多く、環境配慮がかなり身求められるようになってます。そして農協のような組織の役割で目を引くのは「コントラクター」。つまり、農機具、重機を、オペレーター付きで農家に貸し出す仕組みが充実しているので、日本に比べて減価償却費が圧倒的に少なかったりします。また、人件費も抑制できる。それに飼料価格の安さもあって、日本よりかなり乳価も安かったりします。
日本の酪農の将来を考える時、かなり参考にはなる報告研究だと思いました。日本も、もっともっと乳業、小売が酪農家さんと近づく必要が、ある。そんな意味で、弊社の取り組みと方向性は間違っていないと思うのであります。だから、「磯あそび」も重要なのであります。