吉備王朝と弥生渡来人と、南四国〔7206〕2023/01/07
2023年1月7日(土)小雨
久々にちょっとだけ雨が降ってます。今年初めての、雨。山は雪でしょうか。
一昨日昨日、郵便局、警察署ときたので、今日は消防署のことでも書こうかと思っておりましたら、高知新聞にこんな記事があったので、こっちの話題にします。「岡山の古墳に王埋葬施設?」という魅力的な見出し。
岡山の造山古墳は、この記事にもあるように、全国でも4番目に大きな前方後円墳。Googleマップで見てみても、その古墳の形状がよくわかるね。この地域、大和朝廷の時代には、大和と匹敵する勢力を持っていたとされます。大和政権は、吉備の勢力も取り込んだ連合政権だった、という話もあるしね。真相はどうあれ、ここが、この日本列島の中心の一つであった時代があるのは、間違いない。
普通、巨大な前方後円墳とかは宮内庁の管理下にあったりして、迂闊に発掘調査などできない環境に、あります。ところがここ、造山古墳は、現代の皇室とは直接の繋がりが無いことから、発掘が可能なのであります。その古墳で、王の埋葬施設の一部かも知れない石が出土した、という話。これは、もっと調査したら石室、石棺まで見つかる可能性もある訳で、今までわかってなかった前方後円墳の謎がたくさん解明されていくかも知れない、という画期的発掘なのでした。
大和朝廷が、どういう来歴で、どういう人たちによって成立させれたのか。それは、まだまだわかってません。そこに吉備王朝がどういう関わり方をしたのか。邪馬台国との関係は。渡来人の果たした役割は。などなど、古代はロマンを掻き立てる。
古墳時代の前。弥生時代。古くに渡来してきて独自の文化を育んでいた縄文人の世界に、朝鮮半島などから新しく渡来してきた人たちが入り込み、混血したりしながら新しい文化を醸成していきました。そこには気候の変動も関わっていたのかも知れない、という話は、以前にも書いたけど。
で。最近読んだ中公新書の「人類の起源」という本には、最新のゲノム解析の成果をもとにした、地球上での現生人類の誕生、移動、ひろがりが描かれています。この中に「日本列島集団の起源」という章があって、なかなかに面白い。
手前の地図をご覧ください。日本列島を都道府県別に色分けしていて、DNAの解析により、色が濃いほど縄文人に近く、色が薄いほど渡来人に近い、という地図がつくられているのでした。これ見たら、北九州よりも高知の方が、弥生の渡来人の血が、濃い。弊社の近くで巨大な弥生集落が営まれたことと、この地図との関係を考えてみると、面白いね。近畿と四国が、渡来人の血が濃い。そして吉備や出雲はそうでもなく、ここで渡来系と縄文系の混血や連合政権づくりがあったのかなかったのか。もし、造山古墳で人骨でも発見されたら、またひとつ、新事実が発見されるかも知れんね。
古事記のはじまりに、オノコロ島、そして四国がでてくるのと、この地図の関係を考えて妄想してみるのも、楽しい。
地球は、まだまだわからないことだらけ。だから、楽しいねー。