寒冷化と稲作と彼岸花〔7107〕2022/09/30
2022年9月30日(金)秋晴れ
今日で9月もおしまい。秋、真っ盛り。朝晩は涼しくなりました。窓の外には彼岸花。
本社棟、部屋の窓からの風景は、幾度かこのにっこりでも紹介してきたので、今朝は逆から。オープンテラスの横から本社棟方向を撮影してみました。その建物の窓が、僕の部屋の窓。窓の外には彼岸花。
この季節、日本国中あちこちで赤い花を咲かせている彼岸花。ヒガンバナ。その他にここで目立つのはツユクサ。そして、イモネノホシアサガオ。近年突然増えて来たイモネノホシアサガオについては、以前も書きましたねー。あれから更に繁殖してきた感のある、イモネノホシアサガオ。本社棟の周囲、イモネノホシアサガオだらけ。
彼岸花も、以前はここには咲いてませんでした。今年からでしょうかね。
誰が植えた訳でもないのに、突然咲き始めた彼岸花。でも日本に存在する彼岸花って、種子では繁殖しないのであります。なんと、日本で咲き乱れる彼岸花って、すべて遺伝的に同一なんだそう。中国原産やけど、たぶん稲作の伝来とともに日本にやって来た最初の彼岸花が、日本中の彼岸花の唯一のご先祖様、らしい。今から3000年前のこと。ただひとつの球根から、株分けする形で広まっていったという彼岸花。
つまり、種子で繁殖していくという戦略を持たない植物やのに、いつの間にか広がっている、というのがすごいね。
よく聞きます。こないだ、高知新聞の記事でも書いてました。「誰が植えた訳でもないのに、いつの間にかたくさんの彼岸花が咲くようになった」場所が、あちこち。ここの彼岸花も、たぶん、そう。
もちろん人為的に植えられた彼岸花も、あります。田んぼの畦とかには、モグラ除け対策で植えられたりしたとも言いますきんね。モグラは肉食やのに、何故?_それは、彼岸花があると、モグラの餌になるミミズが住まないから、という説もあるけど真相は知りません。世の中、わからないことだらけ。
昔書いた記憶があるけど、彼岸花の球根には毒があって、でもそれは手間かけて毒抜きをすることで食べれるようになって、そんな訳で、飢饉対策の救荒作物として重宝されてきた、という歴史があります。飢饉で食べ物がなくなると、彼岸花の球根を、手間かけて処理して、食べる。
そうか。飢饉か。
上に、彼岸花は稲作の伝来とともにやって来た可能性がある、と書きました。最近ハマッている気候と歴史の本によりますれば、紀元前1000年頃、アジアや日本列島は非常に寒冷な気候となってしまう。大陸で稲作をしていた人たちは、寒冷気候により、打撃を受ける。そこで、温暖な土地を求めて南下し、海を渡って北部九州にたどりつき、そこで稲作を行うようになった、という話。寒冷化が、日本に稲作をもたらした訳だ。
大陸が寒冷化で飢饉となり、北部九州へ。その際、飢饉の救荒作物であった彼岸花も、一緒に北部九州へやってきて、その次に訪れた温暖な気候の中で、日本列島を稲作と共に北上していった。かも、知れない。いや、妄想です。
世の中はわからないことだらけやけど、こうやって今年も彼岸花の季節がやってきて、秋は深まっていくのでした。それはそれとして、今日も頑張って仕事を始めよう。