源流はクリミア戦争に〔7009〕2022/06/24
2022年6月24日(金)曇り
昨日の蒸し暑かったこと。夜になると汗でベトベト。そして今日も暑くなる予報。善き哉善き哉。飲料メーカーにとって、蒸し暑いのは善き哉善き哉。暑いけど頑張りましょう。
写真は、僕の部屋。北側の窓辺。古い古いキャビネットの上には、父がソ連で買うてきたマトリョーシカや、弊社で働いてくれてるバングラディシュ人の女性が、帰省した際にお土産で買ってきてくれた手作りのリキシャ模型や、僕の趣味である石3個。それに、最近になって読み返している本が数冊。
そう。ウクライナ戦争が始まって、はや4ヶ月。なかなか先の見えない戦争になってきたけど、ここで改めて、ロシアやウクライナ、そしてヨーロッパの国々が、どういった「感情」で戦争に臨んでいるのかを確かめる為に、かつての戦争の歴史を紐解いてみることにしたのでした。
やはり、遡ると ナポレオン戦争行きつくよね。ただ、あの戦争は、まだ近代戦争ではなかった。近代戦争という意味では、そして「全面戦争」という意味でも、クリミア戦争の持つ歴史的意味は大きい、と、思う。この「クリミア戦争」上下巻は、クリミア戦争について僕らの知らなかったことをたくさん教えてくれます。
一般の日本人にとってクリミア戦争とは、ナイチンゲールが活躍した戦争、くらいのイメージしかないと思うけど、このクリミア戦争があり、第一次世界大戦となり、そして第二次世界大戦へとつながる流れはとても重要だと考えます。
そもそも、オスマン帝国領内に居住するロシア人保護、という名目で始まった戦争。ロシア帝国とオスマン帝国の戦争。そこに宗教的な争いが加わり、英国やフランスが参戦して「全面戦争」の色合いを持つことになりました。
現代になって俯瞰してみると、大義名分はともかく、それぞれの国はそれぞれ自国の利益、目的の為にエゴ丸出しで戦っていることがわかります。言うことはキレイやけど、裏側はドロドロしてるではないか、という感じ。で、この本には「この戦争の結果、ロシア人は西欧に対して根深い遺恨を抱くようになる。」と書かれているのは、重い。こうも書かれてます。
「クリミア戦争の最大の当事者であった皇帝ニコライ1世を動かしていたのは、27年間皇帝の座にあった結果として膨れ上がった傲慢な自尊心であり、また、ロシアという強大な国家が弱小の隣国を扱うやり方について彼自身が信じていた方法論であり、さらには、彼の政策に対する他の列強諸国の反応についての重大な誤算であり、そして何よりも、たとえ十字軍を送ってでもオスマン帝国内のキリスト教徒を守ることがロシアの使命であり、その使命を果たすためには宗教戦争も辞さないという牢固とした信念だった。」
今、この本を改めて読み返している理由は、ここにあります。
1日も早い平和を祈るばかり。