目の前のことと将来のこと〔6928〕2022/04/04
2022年4月4日(月)良いお天気
こんだけキレイに晴れた朝は、幾日振りでしょう。少しだけ霞んだ空の、春の朝。会社の桜は、まだ咲いてます。この下でお昼ご飯食べたら美味しいねえ。
この写真は、今朝、夜明け前、本社棟2階の窓から撮影したもの。シャッターを8秒間開放して撮ったら、桜の花がブレました。これは風で揺れてるせいです。そして、桜の向こうにさそり座。満開の桜とさそり座の取り合わせって、ちょっと新鮮やね。そう思って撮影してみました。
幾度も書いたけど、あのさそり座のα星、アンタレスは、土佐では商売星などと呼ばれてきたそう。幾度も書いたように、あのアンタレスを天秤棒の支点に見立て、左右の星が天秤棒の両端。これがしなって見えるほど天秤棒にぶら下げた荷物が重い訳で、つまり、あの天秤棒がしなって見える年はお米が豊作になる、というふうに見られたんだそう。土佐の小売人は、それでお米の相場を占っていたとかいなかったのか、真相は知らんけど、そんな理由で商売星と呼ばれたというアンタレス。
相場。商品経済、貨幣経済は発達して、先物取引などが活発に行われるようになったのが江戸時代。で、享保の飢饉(1732年)の際、農作物への直接の被害がなかった仙台藩などでは、西日本の凶作で高騰する米市場に備蓄米を大量に売り捌いて大儲けをしました。その成功体験が語り継がれ、おきた悲劇が天明飢饉。天明3年(1783年)に天候不順となり、凶作への懸念が広がる中、東北諸藩の財政官僚、テクノクラート達は、高騰する米相場で儲けようと備蓄米を売りに出してしまい、大飢饉となってしまいました。この政策は「飢餓輸出」と呼ばれ、官僚による大失敗、人為による飢饉と言われております。備蓄米制度がうまく機能していれば、あれほどの大飢饉、惨事にはならなかったとも、言われてますね。
なかなか行政、政治って難しい。
で、現在。油は値上がりし、穀物相場も高騰。それにより、酪農業も大きな打撃を受けています。ところが目の前では、生乳が余ってしまっている。余ってしまっているから乳価を上げる、という動きが出ない。こないだも書いたように、現在の余乳現象は、数年前の生乳不足対策の効果が現れ始めたところへのコロナが原因。この時間差、タイムラグが、生き物相手の商売の難しさね。
今余っているから、と、対策を取らなかったら、間違いなく数年後、生乳不足で大騒動します。間違いない。僕もこの業会は長いので、わかります。
目の前のことと、将来のこと。政治家も官僚も、そこを見誤らないようにして欲しい。天明の大飢饉は、目先を優先して見誤った失政。令和の今は、将来を見据えた正しい選択をして欲しい、などと、あの、桜の向こうの「商売星」を見ながら思うのでした。
さあ。仕事を始めよう!