秩父帯と三波川変性帯の間〔6917〕2022/03/24
2022年3月24日(水)晴れ
今日は、香川で仕事。なので、早朝出社してふた仕事ほど済ませ、大好きな国道32号線を走って香川県へ。ここは豊永。古くからの豊永郷の中心地。朝、6時前の、豊永。
この眼下は吉野川。旧長瀞橋の橋脚が、なんか、美しいね。その向こうに、左側から流れ込んでくるのが南小川。徳島との県境、京柱峠からまっすぐ流れてくる河川。
四国は、南海トラフでのフィリピン海プレートの沈み込みによって東西方向にシワができ、それが急峻な四国山地を形成しております。地形図で見ると、こう。
こうやって見てみると、河川は、そのシワに沿って流れていることがわかります。そこは、地層と地層の境目。つまり、断層。そしてその河川に沿って、街道が走る。豊永は、小松島から剣山、三嶺の北側を通る街道が吉野川につながる交通結節点。そういう立地で、古くから栄えてきたのでありましょう。
さて、地質。吉野川は、言わずと知れた中央構造線に沿って東流し、徳島市で瀬戸内海に流れ込む。領家帯と三波川変性帯の境目、中央構造線。
そしてこれ見たら一目瞭然やけど、物部川は、秩父帯と四万十帯の間、仏像構造線に沿って流れ、太平洋に流れ込む。県境(分水嶺)から東は、同じく仏像構造線が那珂川となって阿南市へ流れ込む。
その間。つまり三波川変性帯と秩父帯の間の御荷鉾帯に沿って流れるのが南小川であり、豊永から上流の吉野川も、そう。
吉野川は不思議な川で、上流域は三波川変性帯と秩父帯の間の断層を流れ、豊永から阿波池田間で山を突っ切り、今度は中央構造線に沿って流れ下る。この、山を突っ切る部分が美しい渓谷となり、大歩危小歩危なので、あります。
こっから北側には三波川変性帯が横たわり、特徴的な緑色片岩が多くなります。三波川変性帯と秩父帯の間の御荷鉾帯は、日本で唯一のLIP、つまり「巨大火成岩岩石区」ではないかと言われてて、生物の大量絶滅の原因の一つにも想定されている、超巨大火山の痕跡なのかも知れないのであります。
こうやって衛星目線で地球を眺めると、地球規模での動きが山をつくり、河川をつくり、そして街道をつくり街をつくってきたことがわかって、楽しい。楽しくないですか?
今日は、フリピン海プレートの沈み込みによってできたシワシワをいくつも横断して香川で仕事。
僕らは地球の営みの上で生きていることを実感する、朝。