チッチッチッチッ・・・・・〔6906〕2022/03/13

2022年3月13日(日)晴れ
良いお天気。もう、すっかり春。気温もどんどんと上がって、高知県地方は春爛漫。コロナとかウクライナとか、嫌なニュースが多いけど、それでも地球は回って季節はめぐる。
今朝、日曜日の朝は、早朝から会社にやって来て、ふた仕事ほど済ませてから、ちょいとストップウォッチをバラして洗浄、組み立てをやりました。
去年から機械式腕時計の仕組みとか、産業構造とかに興味を持ってしまったのは、皆さんご承知の通り。クオーツショックで壊滅的打撃を受けた機械式時計産業が、いかにして復活し、隆盛を築くに至ったか、という歴史は、ものづくりを生業とする僕らにも、大きな示唆を与えてくれます。
で、それはそれとして、ストップウォッチ。
いやね。腕時計のジャンクをバラして組み立てて、ということをやってるうちに、手を出してしまった機械式のストップウォッチ。某オークションで送料込みの数百円。懐かしいっすよね、機械式のストップウォッチ。ストップウォッチを使うシーンって、体育の授業とかしか思いつかんけど、実は工場の現場とかでも、機械式ストップウォッチで時間を測るのは実に重要なことでした。そして現在、体育の授業や競技会や、工場の現場では、もちろん正確で機能的なデジタルのストップウォッチが使われてます。安いし正確だし機能的やし。道具として、器具としてのストップウォッチなんで、それは当然でございますね。
では何故、機械式のストップウォッチを手に入れたのか。安いとは言え、時間を測定するなら、スマホもあるし、やっすい腕時計は100均ショップで300円。なんで、機械式のストップウォッチなのか、と言えば、一番は、その「音」。機械式時計ならではの「チッチッチッチッ」という音が、腕時計などよりも大きく、そして魅力的に響くのが堪らない。この音聴いてるだけで、なんか、異世界への旅を経験できる気がするんですね。僕は大丈夫ですか?
こないだ、若い社員さんに、この「音」がエイろう?と言うてみたら、「・・・・・」でした。まあ、簡単に同調してもらえるとは思ってません。
僕は、腕時計の動く構造がわかってます。だから、この「チッチッチッチッ」という音を出している正体も知ってます。脱進機だ。もちろん裏蓋を開け、その動きを眺めてみました。ロービートのテンプの動きと音。どうでもいいですか?
2個手に入れたんですが、1個は、動きの悪いジャンク品。動き始めてもすぐに止まってしまう、可愛いやつ。そこで今朝は、それを分解し、部品をベンジンで洗浄して注油、組み立てをやってみました。小さい小さい腕時計で分解組み立てを経験してるので、それよりは大きいストップウォッチは簡単でした。
組み立てて、テンプを取り付けた瞬間に、元気よく動き始める脱進機。この瞬間が、堪らんねー。ジャンク品も、無事、調子良く動き始めたのでした。感動。
左側のは、最初から快調に動いているストップウォッチ。表示をご覧ください。1周で「100」の目盛り。秒針は、1分で1周するので、1分が100分割されているストップウォッチ。60分割ではなく。これは、それこそ工場の現場とかで使われていたもの、らしいです。作業時間とかを計算するときは、60進法ではなくて10進法の方が計算しやすいから、時間を計算せんといかん工場の現場とかで使われていたもの。
で、この、バラしているものは、1周30秒の「30秒計」。機械式「ストップウォッチ」と一言で言いましても、そこには知恵と工夫が詰まっているのでした。
小さい小さい部品と向き合う時間って、そこだけに集中して頭が空っぽになります。そう。こういうのも、1週間に1度の貴重な貴重なストレス発散タイム。だから、たまにはこんなにっこりひまわりも、ご容赦ください。
今も、これ書いてる横で、素敵な音がチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ・・・・・・・・・・・・・・・