赤松良子さんの「私の履歴書」〔6819〕2021/12/16
2021年12月16日(木)晴れ!
幾度か書いてきたけど、日経新聞で僕が一番読むページは、ここ。文化面。時々、なかなか興味深い記事があったりするし、「私の履歴書」があります。
「私の履歴書」では、やはり、個性の強い創業社長さんとか、芸術家のとかが面白かったりする訳やけど、今月のは、そのどちらでもないのにものすごく興味深く読ませて頂いております。赤松良子さん。
その経歴はウィキを読んで下さい。東大法学部から労働省に入省し、女性差別と闘いながら男女雇用機会均等法を実現させ、今は選択的夫婦別姓制度実現の尽力する、日本ユニセフ協会会長の、赤松良子さん。92歳。
若い頃から、飛び抜けて優秀であり、そして行動力もあったことが、よくわかります。しかし労働省に入省したのは昭和20年代のこと。働く女性の立場は弱く、そして公平に評価されない。そういう時代。だから、同期入省でも、課長になったのはかなり遅かったと、今日のこの「私の履歴書」に書いてます。評価するのもおじさんなら、人事権を持っているのもおじさん達だ。
今の日本でも、冷静に理論的に考えたら当たり前の女性の権利の問題が、エラそうで頑迷で上から目線のおやじ達の発言力によって、解決に向かわないこと、まま、あります。古代からの日本の歴史、社会のありようが理解できてないし勉強しようともしないヤカラの発言力。
なかなか社会を変えていくってのは、難しい。
この「私の履歴書」で、中学時代を戦前に過ごした人物が登場するのは久々ではないでしょうかね。特に、行政や政治の世界で生きてきた人物で。戦後生まれが登場してきている「私の履歴書」で久々の昭和4年生まれの行政人。この登場の遅さにも、日本が男性社会である証左が現れている気がするんですけどね。こういう、知恵と能力と行動力のある人物の努力で、少しづつ、前へと進む日本社会。赤松さんが労働省の若手時代に、女性の権利向上に対して色々と理由をつけて反対していた人たちって、今の世界を見たら反省するんだろうか。現在、諸々に反対してる人たちは、将来、反省するんだろうか。などと考えさせられる「私の履歴書」。
右手の「厄除けと招福の日本絵画」では、七福神が音楽を奏でる中、ネズミ達がお正月を祝う光景が描かれています。七福神って、ここにも書いてるように、日本固有の恵比寿さま、仏教由来の大黒天、毘沙門天、弁財天、中国の禅僧布袋、道教由来の福禄寿と寿老人と、いろんな宗教、思想の神様が分け隔てなく一緒になって祀られる、ふしぎで楽しい神様集団。これだ。
いろんなもの、いろんなことが、混合してゆく。他者、考えが違う者を排除しない。白黒つけない。いつの間にか一緒になってしまっている。分け隔てなく。
ネット社会が広がり、なんとなく、七福神のような考え方が薄れてしまってきてるような気がしてならない。
赤松良子さんの「私の履歴書」と七福神の話。まだまだ日本はちょっとづつ。少しづつ。