陸上の距離感と海上の距離感〔6809〕2021/12/06
2021年12月6日(月)晴れ
12月も、はや6日。どんどんと大晦日が近づいてきますな。コロナも今は大人しいので、昨日一昨日の街は結構な人出やったんではないでしょうか。
昨日、所用がありまして、県営渡船に乗ってきました。種崎と長浜(御畳瀬)を結ぶ、無料の渡船。昨日の浦戸湾はとても天気が良くて美しゅうございました。船に乗る、というのは、なんとなく非日常感があって、好き。
これがその県営渡船の時刻表。朝、6時半から20時まで、一日20往復。昨日も、お遍路さんや地元の方が乗ってて、便利に使われていることわかります。浦戸大橋が無料化になるとき、この渡船の存廃論議があったんだそうですね。残してもらって良かった良かった。
渡船とかの交通機関は、その便数が多いことで、利便性が高くなってます。利便性が高いので、利用者も多い。別に時刻表を調べていかんでも、そんなに待たずして乗れるし。
便数が多いので言えば、宮島へ渡るフェリーも便数やたら多いですよね。いろんな会社の、色んな船が、本州と宮島を結んでます。あそこに橋を架ける、などという話もあったとか聞くけど、架けんでよかったと思ってます。広電で宮島口へ。そこで船に乗り、宮島へ。船着場から厳島神社へは、街の中をしばし歩いて行くことになる。これだ。この仕掛けが、観光客を惹きつけるし、非日常空間を感じさせつつ飽きさせない演出になっている、と、僕は思うのです。便利なことが感動ではない、という例ね。
便数が多い、ということで言えば、昔の宇高連絡船。あれも1時間に1便は出てて、乗客満載。連絡船の他にも四国フェリーとか宇高国道フェリーとか、たくさんの船が頻繁に往復していた、高松と宇野の間。時間調べずに行っても、すぐに乗れました。
そしてこないだ乗った国道九四フェリー。あれも、日中は基本的に1時間に1便。だから、時間調べずに行っても、そんなに待たずに乗れます。いや、乗れんことも、あります。トラックの利用が多かったりすると、予約してなかったら乗れん場合があるのであります。だから、時間に制約がある場合は、前日までに予約しといて乗る必要があるから、注意しよう。
トラックの利用が多いのは、四国と九州の間の物流にとっては、あのフェリーが一番便利だからでしょうね。八幡浜から三崎までの道路が整備されてから、あのフェリーを利用して、かなりの台数のトラックが四国と九州の間を走るようになったと思います。
いや、九州と四国の間だけではないかも知れない。
この地図をご覧ください。大分から関西方面へ車で走ろうとすると、どのルートが一番近いか。そう。北九州をまわるより、国道九四フェリーで四国へ渡り、四国の高速道路から淡路島を経由して関西へ行く方が、全然近いのであります。だから、ひょっとすると大分や宮崎のトラックは、四国を経由して関西へ走っているのかも知れません。
豊予海峡にトンネル掘って九州と四国をつなごう、という発想は、この九州~関西最短ルート有りきで考えられたものだということが、これ見ると、やっと理解できる。でなけりゃあ無理でしょうきに。
頭に思い描いてる距離感と、実際の距離の違いって、結構、あります。例えば、僕ら西日本人にとっては、横須賀と千葉の房総がすぐ近く、という感覚は、ない。でも、本当にすぐ近くなんですね。船で渡れば。湘南と千葉が近い、というのは、なかなか想像できません。
海と船は、僕らの陸上での距離感、固定観念、常識を超越する。昔、もっと海が身近だった時代の距離感は、今とは全然違っていたんだと思う。