亜炭の炭鉱〔6794〕2021/11/21
2021年11月21日(日)晴れ!
奈半利に炭鉱があった、と言われても、ピンときませんよねー。
今日は田野、奈半利へ来てます。高知県東部。更新世段丘が隆起した台地が特徴的な、高知県東部。更新世というと第四期になる訳やけど、もちろんそれより古い地層も、存在します。更新世の前は第三紀。その第三紀に形成されたと思われる石炭の層が、奈半利町東部の山に、ありました。石炭といえば、石炭紀で、何億年も前に木質とともに地中で形成されたものを連想します。そう。その時期の石炭はとても良質なものやけども、それほどに古くなく、石炭化率が低いものを「亜炭」と呼ぶんだそう。その向こうの山に埋まっているのは、第三紀の「亜炭」。
亜炭は、燃焼効率が悪くて熱量が上がらないので、工業用には使えない。でも、割合に身近な場所で産出される、ということで、明治から昭和にかけて、結構盛んに採掘されたという、亜炭。
その亜炭の炭鉱が、奈半利町東部、六本松地区背後の丘陵に、ありました。採掘が始まったのが幕末の慶応元年。1865年。大政奉還の2年前。土佐藩の蒸気船の燃料に利用されてたみたいね。その後、採掘は中断したけども、戦後の燃料不足時に再開し、昭和21年~24年に月産1000t程度を産出しておりました。昭和59年まで稼働してたと言いますから、僕が大学卒業の頃までは、奈半利に炭鉱があった、ということになります。知らんかったー。世の中、知らないことだらけ。
その六本松地区の丘陵の東。そこには、標高100mくらいの、海岸段丘が広がっています。海を見晴らす台地。更新世に、浅海底で堆積した地層。それが数万年~数十万年の間に隆起してできた、台地。水捌けの良い土地なので、芋などを作るのに適しています。農民の努力で豊富な水も利用できるようになってから、水田も広がりました。
その水田を利用して、今の季節、コスモス畑にするようになったのは、数年前のこと。品種を考え、毎年種を採り、選別して播種する。結構な苦労と努力。キレイなコスモスを咲かせて、訪れる人たちを喜ばせたい。それだけの思いで、美しいコスモス畑をつくったんだそう。
炭鉱ができ、廃坑になり、その隣の山にコスモス畑ができました。