月と月の裏側と技術者とネット社会と陰謀論と〔6746〕2021/10/04
2021年10月4日(月)晴れ
秋晴れ。朝晩、めっきりと涼しくなりました。布団、ちゃんと掛けて寝んと、風邪ひきます。
写真は今朝、3時半過ぎの南国市物部。出勤途中、スマホのカメラで撮影しました。地上スレスレ、月齢27の、細い細いお月様がきれいだったので。明後日が、新月。夜明け前の低い低い空に、受け皿のように真上を向いたお月様。
日本では、そんなに話題にならんかったけど、2019年のお正月、中国が打ち上げた月探査機「嫦娥4号」が、月の裏側に着陸して探査を実施してます。これは、すごいこと。
月ってのは、ご存知のように、自転周期と公転周期が同じなので、いつも同じ側を地球に向けてます。なので、地球から見て反対側には電波は届かない。なので、無人機をコントロールするのはかなり難度が高い。
という訳で、今まで、月の裏側に探査機を送り込んだ国はなかったのでありました。
そうそう。思い出した。小学生の頃。徳島県西部、昼間という町に住む従兄弟の家に泊まりに行ってたとき、部屋の壁に、大きな月面の図が貼ってありました。そこには、アポロ8号が撮影してきた、月の裏側の写真もあって、とても印象的だったのを覚えてます。半世紀以上経ったのに、まだ覚えてるくらい印象的でした。そう。アポロが行くまで、月の裏側は人類のとっての大きな謎だった。
宇宙人による、知らない文明があるのではないか、などといった妄想を喚起していた、月の裏側。
その月の裏側に中国が探査機を送り込んだ。
指導者が習近平なので、まあ、世論的にはなかなか好意的には受け止められんよね。先に唾つけといて、将来の要項活用に有利になるようにしたい、という政治目的を、どうしても感じてしまう。でも、これって偉業であることは間違いなくて、素直の人類の功績として賞賛するべきではないか、とも思う訳です。
想像ですが、このプロジェクトを推進している技術者やテクノクラート達は、かなり優秀。「将来国家にとって有利になるから」とかなんとか理由を組み上げて指導部を説得し、予算を獲得してこのプロジェクトに臨んでいるのではないか、などとと思ってしまいます。
1960年代から70年代にかけて、アメリカとソ連が宇宙開発競争をしていた時代。ソ連では、フルシチョフの構想とか思いとかには関係なく、現場の優秀な技術者やテクノクラートが、うまく理屈をこねて上層部を説得しながら、「宇宙」という自分たちの「夢」に邁進していた、ということがわかってます。
中国の現場で、誰がどんなことを考えながら宇宙開発をやっているのかは、わからない。間違いないのは、今年の火星探査でもわかるように、中国の宇宙開発のレベルはかなり高い。現場の技術者は、かなり優秀。指導者が習近平であろうが、そしてそれが誰かに代わろうが、彼ら彼女らはうまく立ち回って世界の宇宙開発をリードしていくだろう、といった意味でも、優秀だと思います。月の有人探査も近いでしょうねー。
ネット見ると、「中国の月面探査はフェイクで合成写真」とかいった陰謀論がたくさん。この辺が、ネット社会の悲しいところやね。「みんな騙されてるけど、自分は知っている衝撃の事実」というのに弱い人が多すぎるね。それこそそんな妄想してる間に、優秀な技術者を抱えた国々は、どんどんと先へ先へ。
理由や目的はともかく、技術や学問を大切にする国は、先へ先へと進んでゆく。