五色ノ浜、横浪メランジュ〔6569〕2021/04/10
2021年4月10日(土)晴れ!
土曜日。この週末は久々にお天気良さそう。良さそうやけど、コロナで、行くところも限られますな。僕は、今朝、5時に出発して自転車で須崎市方面へ向かいました。
土佐市から仁淀川沿いを南下して、新居、宇佐。宇佐から、宇佐大橋を横浪半島へ渡り、竜の浜から少し坂道を上がると、「五色ノ浜」へ降りていく入り口の看板があります。
鬱蒼とした坂道を下っていくと、五色ノ浜。
ここは、日本の、いや、世界の地学において、重要な場所であることをご存知でしょうか。横浪メランジュ。
形成された年代や場所が異なる岩塊、地層が、ひとつの露頭に複雑に混在している状況を「メランジュ」と名付けたのは、昨年惜しくも亡くなられた鈴木堯士先生。鈴木先生が、ブラタモリ高知編でもご紹介した西分のメランジュと、ここ、横浪メランジュを研究することで、プレートテクトニクスが実際に地球で起きている事実を証明した、と言われてます。
1億3000万年前に赤道付近で形成された枕状溶岩、チャートなどが、数千万年前に陸地近くで堆積した砂岩と隣り合わせ、混在している地層は、プレートが赤道から北上してきて陸上プレートに沈み込み、付加帯となっていることを、証明しているのであります。
西分では、10mばかりの間に数千万年間の岩石が見られる、ということでタモリさんを驚かせました。
そんな訳で、一度は来てみたかった横浪メランジュ。
ここは、かなり長い海岸線にメランジュを見ることができます。なかでも幅100mのチャートの岩体は、日本でも有数のすごい岩。ところが、危ない岩場を1時間くらいは登ったり降りたりしないと行けません。腰痛持ちの僕には、ちょっと、無理。残念。
それでも、こんな感じの岩場でメランジュを堪能させて頂きました。
手前の赤いのは、たぶん赤色チャート。砂岩も見えます。
ここには、遥か赤道方面でできた枕状溶岩から、深海堆積物であるナノプランクトン石灰岩、チャートなどが僕にもわかるように存在します。古いのは1億3000万年前。プレートが北上するに従って、チャート、石灰岩、多色頁岩、泥岩、砂岩と堆積していき、それがユーラシアプレートに沈み込む際にムリムリっと陸上側に押し付けられて付加帯となり、ここで露出しているのであります。ああ。地球のロマン。
一人で探検するには、ちと危険な岩場やけど、良いものを見せて頂きました。
ここは、鈴木先生の骨折りで、国の天然記念物に指定されてます。こんなに面白いのに、訪れるのは磯釣り客だけ、というのは、ちと寂しい。
今朝は気分よく、浦ノ内を自転車で走って須崎。桑田山温泉で疲れを癒やし、このにっこり書いてます。なんと贅沢な土曜日。