屹立する女神像と誕生日〔6567〕2021/04/08
2021年4月8日(木)薄曇り
4月8日は「花まつり」。と、聞いてきたし、皆さんもそう認識してると思います。お釈迦様の誕生日。
でもこの「花まつり」という名称は、ウィキによると明治以降のもの。いや、それどころか大正以降のもの。そもそも、中国から伝わって来た仏教で、旧暦4月8日がお釈迦様の誕生日とされてて、明治になって新暦の4月8日になり、それが丁度桜が咲く季節だからということで「花まつり」と呼び始めた、と書いてます。1916年、日比谷公園で浄土真宗僧侶の安藤さんが釈迦誕生日法要を「花まつり」と称したのが起源なんだって。1916年というと大正5年。最近だ。
「日本の古くからの伝統」とか「文化」とか言われてるものの中に、明治以降に創出されたものって、とても多い。夫婦別姓の問題とかね。そこは、キチンとした勉強をした上で、新しい時代に対応していく必要があるんだろうな、などと思う今日この頃。
誕生日問題ってーのは、なかなか難しい。お釈迦様が4月8日に生まれたという話も中国で創出されたもので、そもそものインドでは違う話にになってるし。インド歴の正月祭が起源、などという説もあって、それまで行われてたお祭りや風習、習俗と合体して「誕生日」を祝う日が創られてった、という可能性も、あります。
そんな話で一番有名なのはクリスマスでありましょう。
そもそも、クリスマスって、キリストの誕生日ではない。誕生を祝う日やけど、誕生日ではないのである。ややこしいけど。
古代ローマに存在したミトラ教で冬至に行われてた「太陽が生まれる日」の祭りが、キリスト教の諸々と合体してクリスマスになった、というのが、まあ、世の中に一番流布してる説でしょうかね。知らんけど。
古代ローマといえば古代ギリシャですが、エーゲ海のサモトラケ島で発見された「サモトラケのニケ」はご存知っすよね。なんで突然こんな話を、という感じやけど、ご容赦ください。今朝、こういう角度で写真を撮る機会があったので。中の橋通りの、追手前高校の北側のビルの上に、こんな彫像が屹立してるの、知ってると思います。いつ頃できたんでしたっけ。バブルの頃っぽいけど、ハッキリした記憶はありません。
とにかく、ビルの上に文字通り「屹立」する彫像。あまりに高い場所にあるので、道路を通ってると、逆に気づきにくいけど、横から見るとこんな感じ。
で、今まで、勝手に、「サモトラケのニケ」だと思い込んでたのであります。もちろん本物の「サモトラケのニケ」には、腕や頭部がないので、想像で復元したものだと。
ところが。
この本物と見比べてみると、違う。違います。衣服もちょっと違うし、背中の羽も、違いました。では、何の像なんだろうか。女神像ではあるみたいです。羽もついてるし。
このページに、本物の「サモトラケのニケ」について詳しく書いてます。最新の想像復元像もありますね。こうやって見てみると、すごい迫力。やっぱし、本物は、すごい。
紀元前190年頃の制作という説もあるけど、真相は定かではありません。つまり、誕生日はわからない。
でも、僕の60回目の誕生日は着実に近づいてて、僕の誕生日には諸説や異説がないから、逃げようもなく、60歳は今月中にやってくるのが、ちょっと・・・・・