相生町〔6544〕2021/03/16
2021年3月16日(火)薄曇り
高知もソメイヨシノ、開花宣言でましたねー。今年もかなり早い。3月末になると、もう散ってしまうかも知れません。今年のお花見はどうなるんだろう。去年はかなり自粛ムードで、一度もお花見、しませんでしたが。
花と言えば前川種苗さん。高知駅の南東、江ノ口川の北に、大きな社屋と店舗を構える種屋さん。高知ではかなり手広く商売されてて、高知の園芸にとってなくてはならない種屋さん。
その前川種苗さんが所在する町の町名は「相生町」やけど、そもそもその町名は前川さんが名付けた「私称」であった、という話、ご存知でしょうか。以前、高知新聞で「地名往来」という記事が組まれてて、その中で「相生町」の由来を書いてたと思い、図書館で調べて見たらありました。そう。私称「相生町」の話。
明治42年。香川県大川郡相生村に生まれた前川秋三(22歳)が、高知市へやってきて、「萬種子物 前川商店」を創業する。そして、故郷を偲び、店の近辺を自分で相生町と呼ぶようになった。当時、そこは江ノ口村。当時の地図を見ると、田んぼばかりの風景なので、勝手に地名を称しても問題なかったのでありましょう。大正6年に高知市に合併し、昭和11年、町名整理事業で町名をつけることになった際、秋三が「私称」として使っていた「相生町」を正式に高知市の町名にした。
という素敵なストーリーが、ここ相生町にはあったのでした。この写真の左隅に「相生町」の町名表示板。その町名のルーツは、遠く香川県の相生村にありました。
調べて見たら現在の東かがわ市。かなり県東部で、徳島との県境に近い海沿いの町やね。で、そこに所在する「東海寺」というお寺さんの境内にある松、相生の松が、その相生村の由来なんだそう。
相生の松とは、ご承知の通り、雄株と雌株が寄り添うように立つ松のことで、高砂神社の相生の松はあまりにも有名。最近結構式で高砂を唸るのも、あんまし聞かんなったけど。
そんな訳で、高知市相生町のルーツは、ここ。境内をストリートビューで見ても、そしてHPで調べても、現在はそこに相生の松は存在していないみたい。
しかし、遠く離れたこの地で町名になり、定着したという不思議。
旧相生村の皆さんは、そんなこと、ご存知なのだろうか。