蛇紋岩の角石〔6517〕2021/02/17
2021年2月17日(水)晴れ
今朝は0℃くらいの予報やったけど、そんなには冷ようないっすね。明日朝がまた冷え込む予報やけど、どうなんでしょうか。もう、春はそこに見えてます。梅、満開。
高知城には「梅の段」というのがあって、これからが梅満開を迎えます。昔、梅の段の下には動物園がありました。子供の頃、梅の段でお弁当食べた記憶、あります。そう。あの頃の高知城、梅の段界隈は、家族連れがお弁当持って遊びに来るような場所だった。
今朝、早朝出勤してひと仕事済ませ、高知城の山、登りに行ってきました。朝、6時半前。夜明け前の高知城。梅の段には馥郁たる香りが漂い、本当なら梅の花でも撮影して、高知城の春の訪れを紹介するところやけど、そこは僕らのにっこりひまわり。少しひねくれて、石。石にしてみました。
蛇紋岩。
高知市北部の山は、蛇紋岩地帯としても有名。タモリさんも大好きな蛇紋岩。地中の深い深い場所で、マントルを形成するカンラン岩が、水の供給を受けて蛇紋岩になります。蛇紋岩はカンラン岩に比べて軽いので、徐々に地表まで上昇してきて、正蓮寺界隈とかで露出しているのでした。興味、ないですか?
実は高知城のある大高坂山にも、蛇紋岩の露出があります。大高坂山は、角閃石が優勢なのでありますが、山の西麓端っこに、蛇紋岩。
そして、実は、石垣の一部にも蛇紋岩が使われてます。天守のある本丸から鐘撞堂へと下るところに黒鉄門があります。くろがね門。そこから坂道を少し下ったところの石垣。石垣の角石。わかりますですかね。こないだ、追手門脇の石垣、角石で、算木積みなのに縦に積まれた石があるの、ご紹介しました。実はここも緩い角になってて、算木に積まれるところに、四角く加工された石が縦に積まれているのであります。わかりますか?
この、フラッシュで黄色っぽく見える縦の角石。これ、実は蛇紋岩。高知城の石垣では、ここと、この向こうへ下ったところ、そして鐘撞堂から更に回り込んだところの三箇所に、蛇紋岩の石が使われてるんだそうです。興味、ないですか?
蛇紋岩は、高知市北郊ではよく見かける石やけど、まあまあ貴重な石。色んな用途で使われてきたらしいけど、近年は、その美しい模様から、装飾用の石材として使われてる、蛇紋岩。「緑色の大理石」蛇紋岩は、国会議事堂の中央玄関の床面に使われてるんだって。秩父産の蛇紋岩やけど。
この動画でも、1分くらいのところで、ハッキリ見えます。蛇紋岩。
なんでこの石垣の角石に蛇紋岩が使われたのか。わざわざ縦置きされてるところから見て、石積み職人が、わざわざここまで蛇紋岩を運んできて積んだ、としか考えられない。穴太衆にとっても、蛇紋岩ってのは特別な石やったのかも知れません。
本丸の石垣が積まれたのは、17世紀初頭。この、縦置き蛇紋岩は、400年前の時空を超えて、石積み職人の想いや誇りを伝えてくれます。