第4回山中賞〔6516〕2021/02/16
2021年2月16日(火)晴れ
それにしても昨日は春でした。明け方近くまでは雨やったけど、そこから晴れて気温がどんどんと上がってポカポカ陽気。高知市では、お昼前に21.4℃。地震がちょっと心配やけど、気温と地震には相関関係は認められません。地球はベキ乗則で動くから。ベキ乗則で動くけど、その動くきっかけは、予測できないもの。なにがきっかけになるのかは、わからない。
だから、北の方で太平洋プレートが北米プレートに沈み込んで反発したのが、南でフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んで反発するきっかけにならないとは断言できん訳で、地球はなかなか難しい。人類にできることは、対策して、備えて、折り合いつけていくことだけ。
ところで。以前、TSUTAYA中万々店さんの「山中賞」について書いたの覚えてますでしょうか。本が好きで好きでたまらない書店員、山中さんが、自分がとても感動した小説に、自分の名前を冠する賞を与えているという話。山中賞。第3回山中賞の受賞作品が「ザリガニの鳴くところ」でした。感動の物語。
で、今、TSUTAYA中万々店さんでは、第4回山中賞が発表されております。
これ。太田愛さんの「彼らは世界にはなればなれに立っている」。
架空の街で展開される寓話のようなストーリー。でもこれ、現代社会を極端にデフォルメしたものだと、わかります。そして読者に息をつかせない展開は、さすがさすがの太田愛。山中さんにとって太田愛さんは大好きな作家さんらしく、TSUTAYA中万々店さんでも、魅力的に紹介されてます。ので、僕もそれにつられて「犯罪者」とか「幻夏」とか、読みました。山中さんに紹介されてなかったら、まだ馴染みがなかったと思われる太田愛さん。
その最新作「彼らは世界にはなればなれに立っている」に対する山中さんの思い入れは、第4回の発表前から、愛情溢れる手書きPOPの数々によって伝わってきてました。だから、山中賞に選ばれたものムベなるかな。
ものを売る、ということと、ものが好きになる、ということ。
自分で、本気で、心の底からすごい、と思える商品を売る。それは、熱い想いを溢れさせる、ということ。溢れた想いは、伝わります。ものを売る際に、営業の基本動作とかテクニックとか、色々あります。でも、何より強いのは、その商品にたいする熱い想い。その想いが相手に伝わると、「なんかようわからんけど、どうやらすごい商品らしいね、これ」となる訳で、それが営業職で一番大事なことやないかと思う僕にとって、山中さんのやってることは、まさにツボだったりするんですね。
いつもの山中賞と同じく、お手紙付き。お手紙には山中さんの、この本に対する想いが綴られています。そして目立つ「帯」。本の「帯」って、こういう使われ方もアリですよね。こないだ「帯」を書いた感想としては、想いを伝えるのって、なかなか難しいということ。
でも山中さんの想いは、十分に伝わってます。十分過ぎるほどに。