川と道の地形〔6496〕2021/01/27
2021年1月27日(水)曇り
今日は愛宕界隈へきてます。所用で。
写真は、ここ。この十字の場所。Googleマップでいうとここで、狭い道路がふたつ、ここで分岐するみたいになってて、しかもここは少し広い。通常、こういう分岐の場合は、Y字路ということで合流部分の建物は三角形に尖ってたりするものやけど、この正面の建物は、尖って、ない。謎だ。
不思議な形状の土地には、不思議な形状である理由が、ある。あるのであります。今朝は、この土地形状の成り立ちの話。興味、ないですか?
さて。
この、現在の航空写真を見てみよう。向かって左側の道は、クネクネと東北東へ続いています。こんな感じで。同じ場所の1960年代の航空写真は、これ。そう。この道は、かつて、こっからクネクネと流れ、現在の交通公園の中を突っ切って久万川へ流れ込む、川だったのでした。このクネクネ感が、どう見ても河川ですもんね。では、向かって右側の道は。それは、その川の南を通っていた、道。途中で川とわかれ、比島で、街道と合流する「道」でした。街道とその「道」の分岐には、明治20年に建てられた遍路石があります。廃仏毀釈で一宮の善楽寺さんが廃され、代わりに洞ヶ島の安楽寺さんが札所になってた時代の、遍路石。善楽寺さんは復活し、裁判を経て、善楽寺さんが30番札所に復活、安楽寺さんは30番の奥の院になった話は、以前にも書いたけど、今朝はこの道の話だ。
つまりこの右側の道は、比島から安楽寺さんへ向かう遍路道でもあった訳だ。左側の道に比べてクネクネ感が少なく見えるのは、道路だったから。左側の道がクネクネしてるのは川だったから。
その、川と道が、ここでくっ付いているように、航空写真では見えます。
もっと古い時代、1497年の航空写真を見てみましょう。これの「高解像度表示」をクリックし、この界隈を拡大してみると、遍路道と川は、ここでくっついてます。この広いスペースは、川と道がくっついてる場所だったから。川は、この場所に、北西からクネクネ流れ込んできてることが、1947年の航空写真でわかりました。興味、ないですか?
さて。今朝の写真の反対側、西側をストリートビューで見てみると、こうなってます。この左側の道が、安楽寺さんへと向かう遍路道。そして右側、北西に向かう道が、川の上流方面となるのでした。
不思議な形状の土地には、不思議な形状である理由がある。
この形状の土地には、川と道が一旦くっついて、そして離れていくというストーリーがあったのでした。ああ面白かった。興味、ないですか?