大寒、見え始めた「夏」〔6489〕2021/01/20
2021年1月20日(水)晴れ
冷やい。大寒ですきんね。
でも、天気予報だと、日中は暖かくなるし、週末はお天気悪いけど気温は上がることになってます。もう、春も近い。そして夜明け前の空には、夏が。サソリ座。アンタレス。
写真は、今朝4時半過ぎの東の空。若松町の巨大防潮堤の上から撮影しました。ここは、戦前、土電電車、新地線の終点「新地」停留所があった場所。つまり、浦戸湾を巡る巡航船が発着し、歓楽街「稲荷新地」の玄関口であった場所。
戦前だったら、この時刻、夜の喧騒が明けて気怠い空気が漂う時刻だったでしょうか。今は、弘化台へ行き交うトラックが時折通るだけの、静かで透き通った佇まい。冷たくて透き通った空気が、星空を際立たせています。
今朝撮影したかったのは、サソリ座。アンタレス。
この海岸通りを自転車で東進してたら、正面に見えたので、堤防上から撮影してみることにした訳です。赤い色が印象的な、アンタレス。わかりますよね?どれがそうか。
海岸通りの先に、五台山の鉄塔の赤い灯りが見えます。そのまっすぐ右手。サソリの心臓、アンタレス。土佐では商売星とも呼ばれた。という話は幾度か書いてきました。
あの、アンタレスを中心にして上と下の星が「く」の字型になってます。それを天秤棒に見立て、その角度が、「く」の字に曲がって見えれば見えるほど、土佐ではお米が豊作になる、という話。豊作で、天秤棒で担ぐお米が重くなって天秤棒がしなる、という理屈。そして豊作になるということは、米相場が下がるということで、昔の土佐の米商人はアンタレスを見ながら商売していた、という伝説ね。知らんけど。
もちろん、天文学的に見て、その角度に変化がある訳もない。ないけど、昔の土佐の米商人は、米商いの経験や勘、そして思惑で、そんな見立てをしてたんでしょうな。ひょっとしたらデリケートな情報戦だったのかも知れません。つまり、今年は天秤棒がシナってる米は豊作で相場が下がる、という情報を故意に流して、他の米問屋の仕入れ意欲を減退させておき、自分だけは大量に米を仕入れておく。実際には豊作でもなかった場合、上昇した米の相場で一儲け。
まあ、ことはそんなに単純ではないだろうし、商売敵もバカではないから、そんなことにはならんかったろうけど、あの赤い星が商売星と呼ばれたほど、お米の商売では、激しい競争が繰り広げられてたんだろうなあ、という想像は、つきます。
そんな訳で、もう、夏が見え始めました。あのアンタレスが、夕食時に空で輝く頃、コロナが終息してるといいですね。