岸本小学校のイギリス積みと三匹の子豚〔6436〕2020/11/28
2020年11月28日(土)晴れ
今朝は、自転車で会社に行って用事を済ませてから、東へ。ちょいと自転車で東へ走ってました。
岸本小学校が閉校になってたの、知らんかったです。今は香南市やけど、こないだまで香我美町。そしてその中心地が、岸本。西隣の赤岡とともに古くから栄えた町やったけど、遂にその中心地の小学校は、去年、閉校になったのでした。どうやら南海地震で浸水する危険性が高く、内陸の香我美小学校に統合されることになったみたいです。残念やけど、仕方ない。
自転車で走りながら、その「旧」岸本小学校の塀を撮影してきました。レンガ積みの、塀。
どうですかね。
砂岩の並亀甲で積まれた石積みの上に、赤煉瓦。左側と右側で、色の鮮明度が違うの、判りますよね。上部の装飾的積み方は同じやけど、右側は、後世になって、補修工事で積み直されたレンガ積みということが、わかります。時代が、全然違う。だって、積み方が違いますもの。
そんな訳で、ご想像のとおり、今日はレンガの積み方の話ね。興味、ないですか?
さて、左側の古く見えるレンガ積み。典型的なイギリス積みですね。長い面ばかりの段と、短い面ばかりの段が交互に積まれるイギリス積み。
トントントントントントン
ツーーーツーーーツーーー
明治後期から大正、昭和にかけて、日本で一番ポピュラーだったイギリス積みですね。その頃のレンガ積み見ると、圧倒的にイギリス積みが多い。貴重なのはフランス積みで、高知ではここに存在します。
短い面ばかりが表面を向いてるのをドイツ積みというらしいけど、コストが高くつくらしくって、あんまし見ません。
で、右側の新しいレンガ積みは、全部長い面が見えてる「長手積み」。これは実用的というよりは多分に装飾的で、レンガ積みが装飾として利用されるようになった現代に、一般的になったもの。レンガ「模様」の壁なんぞは、大体この、長手積みの「模様」になってますきんね。
せっかくなら、壁の補修の際、積み方もイギリス積みに合わせて欲しかったっす。どうでもいいですか?
そこで調べてみました。「三匹の子豚」。
レンガ積みの家で思い出すのは、「三匹の子豚」の三兄弟の末っ子がつくったレンガ積みの家だ。ウィキで見てみると、18世紀から存在する御伽噺らしいけど、ディズニー映画で有名になった、「三匹の子豚」。
このウィキのページに載ってるイラストはどこから引っ張ってきたんだろう。見事なイギリス積みで、かなりリアルに描かれた子豚が不気味に笑いながらレンガを積んでます。あの僕らが知ってる「三匹の子豚」のストーリーが広まったのは19世紀のイギリスらしいので、イギリス積みのレンガなんでしょうかね。知らんけど。
では、ディズニーのアニメーションの「三匹の子豚」はどうなのか。アメリカで1933年に製作されてる映画だから、イギリス積みではなかろうか、と思いながら、調べてみました。
ありました。YouTubeに、あの映画の「狼なんかこわくない」の部分が、ありました。
なんと。
6分くらいのところとかに、末っ子が建てたレンガの家の外観があるけど、かなり適当に描かれてて、わからん。長手積みみたいなイラストに、見えますな。しかも。なんとピアノやピアノの椅子や、ベットまで、レンガ積みではないか。いや、この末っ子豚。ここまで徹底してレンガにこだわったヘンテコリンな奴だったのでした。
そんな訳で、岸本小学校の塀はイギリス積みで作られて長手積みで補修され、三匹の子豚の家はイギリス積みから長手積みになった後、椅子もベッドも、果てはピアノまで、長手積みで作られているのでした。