新しい技術を活用する〔6329〕2020/08/13
2020年8月13日(木)晴れ
昨日も暑かった。もう、お盆。そろそろ夏もピークを迎え、少しづつ秋へと向かう季節。コロナ野郎は沈静化しませんが。新しい状況の中で生き抜いて行く新しい術(スベ)を、僕らは、考えんといけません。
新しい術、というものは、その時代その時代に生まれ、磨かれ、そして廃れていくという歴史を持ちます。明治後期から大正、昭和初期にかけて、土木工事で盛んに使われたのが、レンガ積み。例えば大正3年に完成した東京駅の駅舎も、レンガ積み。ステーションギャラリーに残されてる当時のレンガ積みを見てみると、やはりイギリス積み。
レンガの積み方は、このページがわかりやすいけど、明治末期から昭和にかけてのレンガ積みは、その9割がイギリス積みなんだそう。
トントントントン
ツーツーツーツー
トントントントン
ツーツーツーツー
そう言われて見てみると、なるほど、そうですね。興味ないですか?
広く土木工事で使われたレンガ積み。橋脚や橋台にも使われてるところを見ると、当時としては、かなり強度が高いとされた工法だったんでしょうね。
高知市内でいうと、電車通りの木屋橋。戦前の木屋橋の、レンガ積みの橋台のこと、こないだも書きました。まさか残ってるとは思わなかった戦前木屋橋の橋台も、戦前の仁淀川橋の橋台も、イギリス積みのレンガ積みでした。
で、橋脚にもレンガ積み、使われてます。以前にもご紹介した、国道32号の旧吉野川橋の橋脚。吉野川に穴内川が流れ込む地点に架けられてる、今は通行止めになっている橋。明治44年架橋の、「原位置に現存する道路トラス橋としては国内最古」とされる旧吉野川橋の、見事なまでに美しい橋脚も、レンガ積みでした。この写真にも少し写ってますが、イギリス積み。コーナーの部分には四角く切り出した石を算木積みにしてるのは、強度を強める為なんでしょうね。
会社の近所でいえば、物部川橋。平成6年架橋の現在の立派な橋になる前の橋は、たぶん大正期に架けられたもので、橋脚も橋台もレンガ積みだったようです。いつもの、土佐史談会今井副会長所蔵の絵葉書に、ハッキリと写ってます。今も東岸に橋台の痕跡が残ってて、イギリス積み。今朝、夜明け前、撮影してきました。これがイギリス積みね。
実は、ネットで調べてみたらば、国道33号、仁淀川町大崎にある「旧川口橋」の橋脚はレンガ積みでもフランス積み。フランドル積みとも申しまして、非常に珍しい。
トンツートンツー
ツートンツートン
トンツートンツー
ツートンツートン
これは今度、じっくりと確かめてきます。その橋脚も、角の部分は四角い石の算木積み。
そういう土木技術がもてはやされた、そんな時代の美しい土木遺産。時代の最先端。そう言えば、琵琶湖疎水の水路閣も美しいレンガ積みでしたねー。今も使われてるのも、すごい。すごいけど、旧川口橋はすでに車は通れんし、旧吉野川橋も、随分前から通行止め。
最先端の技術も、いつしか、古くなって新しい技術にとって替わられてゆく。時代の流れ、社会の変遷の中で。
ついこないだまでの世の中と、コロナになってからの世の中は、変わりました。今までの最先端は、もう、役に立たない。時代が変わったら、新しい世の中に適合した技術を身につけ、活かしていかんといけません。技術革新は、果てしなく続く。
新しい東京駅の駅舎は、レンガ積みに見えるけど、最新の耐震技術でつくられたもの。
今は毎日、新しい世の中で、どんな技術を使い、どんなものを作っていき、どういう方法で情報発信して、どんなコミュニケーションツールを使うべきか、考えています。
明治の人が、最新技術のレンガ積みを採用し、工夫を凝らしたように。
さあ。今日も朝から、機械屋さんと、zoomミーティングです。