八流のアルデバランとカペラ〔6328〕2020/08/12
2020年8月12日(水)晴れ!
夏空。よさこいは無かったけど、夏はどんどんと過ぎてゆく。今日も暑くなりそう。子供たちは、短い夏休み、楽しんでるでしょうか。制約も多い中やけど、頑張って思い出を作ってって欲しいですね。
夏休みの思い出といえば天体観測もそのひとつ。夏の夜、ゆっくりと星空を見上げたこと、今でも覚えてますもの。天体望遠鏡は持ってなかったけど。学研の「科学」の付録についてきた、紙でできた星図版をクルクル回して見比べたりしながら。
今は、スマホアプリとかで、簡単に星図を表示できるので、いつ、空を見上げても、どれがどの星かすぐにわかります。便利な世の中になりました。味気ないですけどねー。
ここは八流。やながれ。高知県東部、安芸市の八流。今朝も、深夜から安芸市の酪農家さんちへ、動画の撮影に行ってました。ローリーが集乳に行くのが2時半頃なので、家を1時半に出発し、行ってきました。その帰りがけ、八流の国道沿いで、撮影。朝、3時。
空には満点の星。海岸に打ち寄せる波の音が聞こえます。半分に欠けたお月様が、真夜中の海を照らします。
写真上の、斜めに差し込んでる光は、そのお月さまの光。正面にはおうし座。おうし座の目印は、V字に並んだ星。この写真だと、停めた車のおしりの真上。V字が横になってます。Vの左上がおうし座のα星、アルデバラン。言わずと知れた、巨星。V字を、そのアルデバランの方角に、つまりこの写真だと左下へと伸ばして行くと、肉眼では見えんけど、かに星雲。そう。1054年に起きた超新星爆発の名残。日本では、藤原定家の「名月記」に、その超新星爆発の模様が正確に記されているのでも、有名。
V字は、ヒアデス星団と言われる散開星団。そっから上へ行くと「すばる」、即ちプレアデス星団もあるんですが、写ってません。
おうし座の左にはぎょしゃ座。五角形に並んだ星が目印のぎょしゃ座のα星は、カペラ。今朝、写ってる星の中で一番明るいの。
八流の台地の上から、おうし座とぎょしゃ座を楽しんできました。
ここは典型的な海成段丘。かつて、浅海底で堆積した土砂が、海水面の下降と地盤の隆起によって高い台地になった、段丘。こないだの、田野町の大野台地と、基本的に同じ。隆起スピードが大野台地ほど速くないので、大野台地よりは標高が低い海成段丘。その広い扇状地のような段丘面は、北側の山地となだらかにつながっているので、幾筋かの川が流れてます。
土地条件図で見ると、標高は40m以上あるけど、扇状地みたいになってるの、わかります。
扇状地が隆起して段丘になった、という感じね。
なので、幾筋もの川が流れており、たくさん、という意味の「八」が冠せられた「八流」になった、という説があります。この土地条件図見たらね。わかるね。
「八流」は「矢流」とも書いて、長宗我部氏と安芸氏の合戦がここで行われた際に矢が飛び交ったから「矢流」という説もあって、そっちの方が一般の皆さんにはロマンがあって面白いと感じられるかも知れんけど、僕には「八流」の方が、数十万年の地球の営み、というロマンが感じられるのでありました。どうでもいいですか?
惑星探査機パイオニア10号は、今、あのアルデバランの方に向かって宇宙空間を航行中なんだそう。アルデバランに接近するには200万年後。
この段丘ができてから現代まで、数十万年。なので、パイオニア10号がアルデバランに到着する頃は、この段丘風景も、全然違った地形になってるんだと思うと、なんか、すごい。すごくないですか?