R5〔6260〕2020/06/05
2020年6月5日(金)晴れ!
だから、しばらく梅雨入りしそうにないって言うたでしょ?
それはともかく今朝の高新。一面に「最高級あかうし初出荷」の見出しが躍る。嬉しいっすね。
高知県では、今、土佐あかうしの独自基準を設けて品質の向上、安定化とブランド化を目指しています。この春に導入された格付け制度が、それ。
通常の牛肉の格付けで「A5」とかいうの、よく聞きますよね。そう。脂のサシの入り具合で、A1からA5までの格付けを行い、最上級がA5とされてます。最高級の霜降り。でもね。
テレビの食レポとかで、べったりとサシが入った最上級とされるあのお肉、どうなんでしょう。「口に入れたら柔らかくて柔らかくて、溶けて無くなってしまいましたー」。溶けるなら食べる意味ないじゃん。という過激なツッコミはやめといて、この年齢になってくると、脂身が多いお肉はしんどくなってきたのは、事実。たくさん食べれませんきに。
それよりも、ちゃんとしたお肉の味が楽しめる方が、いい。絶対そっちが美味しい。そう思うようになって幾星霜。
でね。土佐あかうしは、霜降りを目指しません。肉自体の、しっかりした風味を味わっていただきたいのが土佐あかうし。
岩手の短角牛とか、熊本の赤牛とか、近年注目されてる赤身の牛肉。その中で土佐あかうしが存在感を発揮するには、紆余曲折、四苦八苦の歴史がありました。僕も少しだけ関わってるので、こことかこことか読んで頂けると嬉しい。
もう、何年前になるだろうか。土佐あかうしのブランド化に深く深く関わって頂いた「やまけん」さんが主宰して、土佐あかうしを高く高く評価している一流シェフを何人か高知へ呼んできて、生産者や関係者を集めてセミナーをやったこと、あります。
土佐あかうしが広がってくるに連れ、あかうしらしくない、霜降りの入った肉が増えてきたのに対する危機感からのセミナーだったと記憶します。
シェフたちが、口を極めて「欲しいのはA5でもA4でもない、肉の風味がしっかりしたもの」と説明するんですが、僕の近くに座ってた二人の生産者さんが「そんなこと言うたちA5の方がうまいわのうー」と喋ってたのが、忘れられません。
あかうしなのに、霜降りという肉が増えると、土佐あかうしの評価が下がってしまう。
そこで、県庁を中心とした関係者さんたちが頑張って、独自の基準の格付け制度を設けたのが、この春。何年もかかりました。
新しい格付けでは、従来の格付けではA2とかA3の肉を「ロース芯の大きさ」「皮下脂肪の薄さ」などの「あかうしらしさ」の基準で評価してます。そして標準以上をR4、最高級をR5とすることにしたのでありました。
この基準はなかなか厳しくて、この春スタートしたけど、初めてR4の肉が出たのが5月のこと。このときは、湧きました。みんな待ち焦がれてたから。そして遂に、昨日、R5の格付け肉が初めて出たのでした。まさに「待望」の。落札価格はA5を遥かに凌ぐもの。それがまた、嬉しい。
R4、R5は「ルージュビーフ」という名称でブランド化していくとのことです。
高知の畜産関係者として、そして、どん底の赤牛を見てきた者として、感慨深いものがあります。とっても嬉しい。高知の畜産が元気になることは、弊社にとってもとても重要なことなので、もっともっと応援せんといけません。
それはともかくR5のルージュビーフ、早ように食べてみたい。ああ。食べたい。食べたい。