カエルとアユと物部川〔6258〕2020/06/03
2020年6月3日(水)晴れ!
梅雨入りしたけどよく晴れてます。さわやかないいお天気の、朝。
物部川では、鮎釣りにいそしんでる太公望もいらっしゃいます。写真は会社の裏手の土手の上。物部川の朝日を眺めるアマガエル。いい感じで、写ってくれました。この地球上には無数の生命の営みがあり、それぞれ折り合いをつけながら生きている。
一昨日の高知新聞に、物部川の記事、載ってました。一昨年の西日本豪雨の災害復旧工事に近自然工法が取り入れられ、鮎たちにとって快適な環境がつくられている、という話。いいですね、この話。
故福留脩文さんがヨーロッパから導入した、自然の石などを利用した河川の改修技術が、近自然工法。まだご存命のころ、講演を聴いて感動したこと、あります。その福留さんに師事した方が中心となり、災害復旧工事には珍しく国交省が理解を示して実現したのが、今回の物部川の河川改修。
以前書いたことあるけど、物部川は、余所から購入してきた稚魚を放流するよりも、産卵場などの整備をして地元で産卵し地元で育てることに取り組んできた川。物部川漁協さんが、高知大学の先生と協働して。
だから、そんな川の河川改修に近自然工法が取り入れられたのは嬉しい。弊社は、物部川沿いに立地し、物部川とともにある、会社だから、余計にうれしい。
高知新聞今朝の「小社会」にも、そのことに関する話題が取り上げられてました。そして「猿猴川に死す」のことも。江戸川乱歩を見出したりした、日本の推理小説の父、森下雨村の随筆集、「猿猴川に死す」には、物部川の釣りのこともでてきます。日本の推理小説界ではとんでもなく重要な役割を果たした森下雨村ですが、50歳で東京を引き払って故郷の佐川に帰り、釣り三昧の生活をしながら随筆を書いたりして過ごしたといいます。
「小社会」にも書いてるけど、実にすばらしいお人柄で、土佐の自然を何よりも愛したという森下雨村。
最近、自分で「天才編集者」などと言うて勘違いしてるバカがテレビに出たりしてるけど、編集者としての森下雨村は、絶対にそんなこと言わんかったろうね。
物部川の話でした。
以前、書いたけど、「司亭升楽のたたき寄席」というラジオ番組で、物部川のアユ釣り名人の話がありました。その話は大げさやけども、昔の川にはアユが溢れていたこと、わかります。今は少なくなってしまった、アユ。
でも、今回のような取り組みを辛抱強く続けることで、そんな落語の風景が甦ってくるのかも、知れません。
僕らは、自然の中で、生きている。久しぶりに「猿猴川に死す」、読み返してみよう。