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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

ひまわり文庫、2020年6月の新刊〔6256〕2020/06/01

ひまわり文庫、2020年6月の新刊

2020年6月1日(月)

6月。少しづつ、少しづつ、平常へ。希望の6月が、はじまりました。

そんな訳で、ひまわり文庫、6月の新刊。

 

今月は、冊数にすると13冊で、少し多め。でもミステリとか一気に読めるのが多くて、そんなに重たくないのが揃いました。

 

左上。「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」上下巻。塩野七生だ。塩野七生は、「ローマ人の物語」で有名やけど、歴史上の人物に、深い深い思い入れを持って描くのが得意。僕は、「ローマ人の物語」は発刊リアルタイムで読んだし、いっぱい読んでます。塩野七生。人物として思い入れが深いとわかるのは、「ローマ人の物語」にでてくるハンニバルやカエサル、「わが友マキアヴェッリ」のマキアヴェッリとかやけど、この神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ二世にも深い愛情もってること、わかりました。中世ヨーロッパが生んだ只一人の創造的天才と言われるフリードリッヒ二世は、たしかに面白い。上下2巻、一気読み。

 

ペスト大流行」は、1983年に書かれた、ヨーロッパのペスト流行による社会の分析。ペストが恐ろしいのは言うまでもないけど、その流行が社会の断絶や差別を生みだし、大虐殺がおこなわれたりする様は、今のコロナ騒動につながるものもあって、慄然とします。勉強になる、恐ろしい本。

 

雰囲気かわって「数学する人生」。昭和前期に世界で活躍した大数学者、岡潔。その後半生、唯物論的社会を批判し、情緒を大切にした社会の在りよう、生き方を説いて若者に影響を与えました。その授業内容などを、数学研究者の森田真生が紹介しています。数学を極めると、哲学になるね。

 

その下「皇国史観」。僕の好きな片山守秀。以前、「鬼子の歌」を読んでから、ハマってしまった。クラシック音楽研究家と思ったらそれは趣味で、本業は近代日本の思想史。特に右翼思想には詳しくて、水戸学から天皇機関説、平泉澄から果ては網野史観まで、じつにじつにわかりやすく解き明かす日本の国の皇国史観。

 

その左は原りょう。コロナで、お勧めのブックカバー7冊、みたいなのを紹介してバトンタッチしていくの流行ってたけど、友人のT君が紹介してたのが、原りょう。1989年の直木賞やけど、あまり知らんかった。とにかく遅筆で、直木賞とってからも、何冊も書いてないというところに惹かれ、買ってしまった。ジャズピアニスト、それもフリージャズの、というのも、いい。で、さすがに直木賞。最終版の展開が、すごいね。面白かったです。「そして夜は甦る」がデビュー作で、「私が殺した少女」が直木賞受賞作。

 

その隣は、もう説明するまでもない、安定の柚月裕子、「慈雨」。これも面白くて一気読み。

 

もう一冊ミステリ。久々に西澤保彦。高知在住で、昔、坂東真砂子さんとかと一緒に飲んだことのある、西澤保彦さん。腕貫探偵が登場する、少し軽めのミステリ「逢魔が刻」。西澤さんらしくて面白かったです。

 

次にブルーバックス3連発。

生物はウィルスが進化させた」は、まだまだ謎に包まれている「ウィルス」という存在の、最新の知見、研究を、巨大ウィルス研究をひも解きながら解説。コロナなので、読んでみました。地球にとって、ウィルスとは何なのか。謎はどんどんと深まってゆく。

 

不自然な宇宙」を書いた須藤靖さんは、高知県出身の宇宙物理学者。深遠な宇宙の在りようを、わかりやすく解説。特に、僕らが観測可能なレベル1ユニバースから始まって、レベル1マルチバース、レベル2マルチバース、レベル3マルチバースのことが、僕ら素人にも理解できました。僕らの存在って、なんだろう。宇宙を知るにつけ、哲学者になってしまいます。

 

昨年、更新世の、77万4000年前から12万9000年前までの期間を「チバニアン」と呼ぶことが、地質年代を決める会議で承認されました。これ、すごいこと。

地球の地磁気が逆転する。これは、この地球ではありふれたイベントだった。そしてその決定的証拠と分かりやすい地層が、千葉にあるのでした。地磁気観測に関する歴史からはじまり、最新の研究成果とチバニアンまでを推理小説のように解き明かす「地磁気逆転とチバニアン」。予想以上に面白かったです。佳い本。

 

予想以上に面白かったと言えば、最後にご紹介するこれ。「銀河の片隅で科学夜話」。新聞の書評で知って買ったけど、正直期待してませんでした。科学エッセイの本って多くって、なんか似たり寄ったり。書いたのが高知工科大学の教授、ということで、地元枠でひまわり文庫に採用された、本。ところが。

高知工科大学理論物理学教授、全卓樹先生。なかなかすごい。最初、科学エッセイの本を出したいと出版社に話したら、言下に断られたそう。科学エッセイは売れないから。ビッグネームでもない限り。高知工科大の先生ですきんね、全先生は。そのかわり、本業の量子力学に関する本を数式を使わずに解説する本を書いたところ、こりゃあ面白い、科学エッセイもやってみるかー、と、なったらしい。

天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編、項目が並び、文章も上手やけど視点が鋭い。こんな文章書く人が高知に居たなんて。一度、お目にかかってみたいと思いました。「想外に」と書くと全先生には失礼極まりないけど、面白かったです。コロナ収まったら、一度、食事でもしませんか?

今月の一押しは、これ。「銀河の片隅で科学夜話」。決まり!

 

以上、6月の新刊。

まだ、家で過ごす時間、多いと思います。巣ごもりセットや家庭料理を楽しみながら、読書で過ごすのも、いいと思います。せっかくですきに。予想はずれて梅雨入りもしたことですし。


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