家ごもりですること〔6201〕2020/04/07
2020年4月7日(火)晴れ
ここに何を書いたものやら。コロナ騒動で、ここに書く内容にも悩むようになってしまいました。緊急事態宣言ですきんね。いやはやまったく。医療崩壊を食い止める為に、今、僕らは知恵を絞り、我慢の行動をしなくてはならない。いつまで続くのかわからんけど、間違いないのは、明けんかった夜はない、ということ。
写真のMacに表示してるのは、夜明け前の、会社の前。本社棟の前にカメラを置いて、西に沈む満月を撮影しました。とは言え、雲が多くて、まん丸お月様は雲の向こうで赤く燃えたつ。田植えが済んだ田んぼに映ってるお月様の方が、丸いね。
そう。もう、高知では、かなりの田んぼで田植えが済んでます。田植えが済むと、高知は春から初夏へ。2月頃には、4月がこんな状況になってること、想像もできませんでした。だから、今は、初夏が、そして夏が、どんな状況になってるのか、想像もできない。この田んぼに黄金色の稲穂が実る頃、地球はどうなってるんだろうか。今は辛抱し、免疫力を高めながら、頑張らんと、いけません。
こないだテレビで、納豆が免疫力を高める、みたいな番組をやったら、スーパーの棚から納豆が消えた、みたいなことがあったみたい。発酵食品が免疫力を高めるのは自明の理で、今更、という感じもするけど。だから、ヨーグルトも、もちろん免疫力を高めるので、たくさん食べましょうね。
以前にも書いたけど、自分ちでも簡単に作れます。この、緊急事態の家籠りの状況ですきんね。家ごもり。家の中でいろんなことやって、楽しみながら実益を兼ねるのも、良いと思います。
家で、古いシーツを使ってマスク作ったり、じっくりとヨーグルトこさえてみたり。牛乳料理にじっくりと挑戦してみるのも、良いね。いや、せっかくの機会、せっかくの時間なので、前向きに前向きに前向きに。
家ごもりという予想もしてなかった環境で、何をするのか。こんな環境でなかったらできんかったようなことを、いっぱいやっときましょう。例えば濃密な読書とか。
こないだ、数学の超難問、ABC予想を日本人の数学者、望月新一教授が証明した、という話を書きました。でもね。あれ、あまりにも難解で、査読をクリアして権威ある学術誌に発表されることになったとは言え、まだまだ異論がありますね。そりゃあそうだと思う。今までの数学の概念では語ることのできん、斬新極まりない発想だから。
その発想、理論を「わかりやすく!」解説したのが、このMacに立てかけてる、去年の8月新刊でご紹介した、「宇宙と宇宙をつなぐ数学」ね。わかりやすくね。いや、わかりやすくは、ありません。これがわかりやすかったら、今頃僕は、ここでにっこりひまわりなんか、書いてません。
この本で解説されている「宇宙際タイヒミュラー理論」、「はじめに」にも書かれてるように、多くの数学者には、このような印象をもたれているようです。
「単に新奇な抽象概念が恐ろしく複雑に絡まり合ってる理論装置で、その中身はあまりに複雑なので、それをチェックすることは人間業では不可能である。」
そんな、理論。
でも、この著者の加藤先生はじめ、この理論は新しい数学の地平を切り拓く画期的なものだと思ってる数学者も、多いらしい。知らんけど。
望月先生は、こう言います。
「宇宙際タイヒミュラー理論という理論は、一言で言うと、自然数と呼ばれる普通の数の足し算と掛け算からなる、[環]と呼ばれる複雑な構造をした数学的対象に対して、その足し算と掛け算という二つの自由度[=次元]を引き離して解体し、解体する前の足し算と掛け算の複雑な絡まり合い方の主立った定性的な性質を、一種の数学的な顕微鏡のように、脳の肉眼でも直感的に捉えやすくなるように組み立て直す数学的な装置のようなものです。」
ふふふ。
どうでもいいけど、望月先生は、真摯な研究者で、今回のGoodニュースの中でも、マスコミの前に姿を現そうとはしません。フィールズ賞みたいな栄誉には興味もなく(懐疑的で)、ひたすら、数学の研究に没頭しながら新しい地平を切り拓く、望月先生。すごいではありませんか。少なくとも、研究者として尊敬に値する、望月教授。
こんな本、この家ごもりの中で読んでみるのも、良いと思いました。もう一回僕も読み返してみよう。
去年読んだときもそうだったけど、寝ながら読むと、1分くらいで寝られます。