東京近郊、早朝の行楽〔6168〕2020/03/05
2020年3 月5日(木)薄曇り
そんな訳で、東京。お仕事です。
業界の会合とかは、すべて中止になってますから、会合、寄り合いではありません。普通にお仕事。昨日、LCCで成田へ飛んで、やって来ました。飛行機も空港も、そして繁華街も人少ない。不思議な光景の大都会。
それでもやはり大都会。電車はそこそこ混んでるしね。マスク率、高いです。みんなどうやってマスク手に入れてるんだろうか。
さすがの僕も、今回は気をつけてます。人混みには近づかない。手洗いをする。アルコール除菌をこまめに行う。などなど。で、今朝は早朝から、あまり人の居ない界隈を走ってきました。新宿にも、静かで大自然の痕跡が残る場所が、あります。新宿中央公園。
このところのマイブームで、明治の頃の東京を描いた作品をいくつか読んでます。その中の、田山花袋の「東京近郊 一日の行楽」には、東京郊外、武蔵野の野趣あふれる風景として、新宿十二社、熊野神社界隈のことが描かれてました。今日はその本持ってきてないので正確なことは忘れたけど、東京も、十二社辺りまで来ると武蔵野の自然溢れる風景となり、楽しい、みたいなことを書いてました。森や、池や、滝があってね。
十二社はじゅうにそうと読みます。
その場所は現在の都庁のすぐ西。なので、今はどんなになってるんだろうか、と思って行ってみると、「新宿中央公園」というのになってて、緑の多い公園として整備されてました。熊野神社の社殿はなかなか立派ね。
そう。今はさすがに「郊外」の雰囲気ではないけど、田山花袋さんも見たと思われる銀杏の古木などが残る、緑の多い場所になってました。更新世段丘である武蔵野台地の起伏をちゃんと利用した、ウネウネした公園。
その起伏の中でも、とりわけ盛り上がった場所が、あります。どうやら段丘の上に更に盛り土した、築山。富士見台というらしい。その上に六角堂が鎮座まします。
都庁を含みこの新宿新都心界隈が淀橋浄水場であったことは、知ってますよね。明治31年から昭和40年まで存在した淀橋浄水場。十二社の池や滝は、その浄水場の下に消えていったのでしょうか。
その浄水場の一角に築山があり、その上に立てられたのが、六角堂。どうやら、浄水場を見学にきた人たちが一休みする場所だったらしい。高い場所なので、浄水場が一望できるんですね。もちろん富士山も。
現在の航空写真は、これ。十字の場所が、写真を撮った富士見台六角堂。東隣に都庁。そして新宿駅。
都庁もやってきて、大都会に飲み込まれた新宿ですが、野趣あふれる武蔵野の痕跡と記憶を、この公園に残してくれています。都庁側に「新宿ナイアガラの滝」という人工滝があります。ここに池や滝があった頃の記憶が、その滝を作らせたんでしょうか。
早朝から、マスクをした老若男女がポツポツ訪れる、公園。
東京には、実は、緑が多かったりします。武蔵野の起伏と自然が、意外な場所から顔をのぞかせる、東京。