険しいけど楽しい道〔6119〕2020/01/16
2020年1月16日(木)薄曇り
昨日は、北の山の上を見ると白くなってました。雪だ。午後にはもう融けてたけど。でもやっと冬みたいになってきました。それでもまだ、ここ南国市物部はこの冬氷点下になってません。季節は季節らしくあってもらいたいもんですが。
季節といえば、ヤギは季節繁殖。
どういうことか。
家畜でも、乳牛とかは、一年中繁殖できます。つまり、年中、種付けが可能。いつでも発情し、種付けできるのが、乳牛。これはもう、長い歴史の中で人間の手によって改良が重ねられ、そうなってきたもの。でも、日本におけるヤギは、そういった改良が行われてこなかったので、今でも自然の摂理に基づいた季節繁殖動物なのであります。「改良」と呼んでよいのかどうか知らんけど。
ヤギは秋に発情し、種付けします。そして春、出産。もちろん個体差もあるので、全員揃ってせーのーで、とはならんけど、概ね、そういう繁殖になります。
するとどうなるか。冬から春にかけては、ミルクが出ない。そういうこと。業界用語では乾乳といいますね。もちろん乳牛でも乾乳期があるわけだけども、それは繁殖時期をずらしていくことで調整でき、牧場全体では年中搾乳が可能になってます。日本のヤギは、いまのところそういう調整ができていないので、冬の間は乾乳になる訳です。
なので、弊社が製造している「川添ヤギ牧場」のヤギミルクも、冬の間は販売休止となっているのであります。大自然の摂理に逆らっていない、とも言えるでしょうか。大袈裟ですが。
さて。
こうやって弊社みたいにヤギミルクをフレッシュミルクとして製造販売しているのは、日本では非常に珍しい例となってます。そもそも乳量が少ないので、工業生産的になかなか難しい。でも、川添さんの頑張りで頭数も増え、殺菌機、充填機で殺菌充填ができるくらいのロットにはなりました。
でも、フレッシュミルクには、問題点があります。
売れる量だけを製造する、ということが、できない。
そう。毎日、川添ヤギ牧場で搾乳されるミルクの乳量は、変わってきます。そしてお客様からの発注数量も、変わってくる。生産量と販売量にギャップが生まれます。どうするか。
乳牛と牛乳の場合、飲用牛乳にならなかった生乳は、脱脂粉乳やバター、チーズなどの保存可能なものに加工されます。そしてそれを、加工乳や乳飲料、お菓子の原料などなどに使っていく、という仕組みになっております。
では、ヤギは。
弊社では、毎日の余ったヤギの生乳を、冷凍にして保存します。そして、それを溜めておいて、ある一定の量になったところで、解凍してパウダーにします。そういうことに、しました。
いや、全部ではありません。実は今、大きな声では言えんけど、冷凍のヤギミルクを使ってヤギのソフトク・・・
いかんいかん。まだ、これは言うたらいかん。とにかくまあ、いろんなこと、考えて準備している訳だ・・・
川添ヤギ牧場のヤギミルクのすごいところは、飼料を、完全に自給でやってるということ。輸入物の配合飼料や乾草などは一切使ってなくて、全部、自分とこと自分ちの近所で作った餌だけなんですね。ここが、僕が川添さんと一緒にヤギに取り組んでみようと思った一番の理由。
いろんな日本一が、あります。日本で初めて、があります。日本で唯一、があります。
例えば、ヤギミルクのパウダー。国産で、今のところ僕はみたこと、ありません。輸入物はありますが。
どんな用途なのかというと、主にペットフードなんですね。特に、犬。
水を飲まない子に水を飲ませたいとき、このパウダーを溶かすと、喜んで飲む。
食欲がない子にドッグフードを食べさせたいとき、ドッグフードにヤギミルクパウダーをトッピングすると、喜んで食べる。
そんなことのようです。
ともあれ、今、日本で初めて、とか日本で唯一、とかいった道を、僕らは進み始めています。
今日から明日にかけて、関東へ行ってきます。この、パウダーの関係で。
新しい道は、険しいけど、楽しい。