石積みと避溢橋〔6093〕2019/12/21
2019年12月21日(土)晴れ!
年の瀬。そんなに寒くない年の瀬の。土曜日。街に、人が増えてきました。善き哉善き哉。
今日は第三土曜日。毎月第一第三第五の土曜日は、朝、会社の近所の清掃活動やってます。僕は、最近の当該日、出張とかが続いて参加できてなかったから久々。寒くもなくて、気持ち良かったっす。
今月は第五土曜はないから、今朝が今年最後の清掃活動。
ご近所の皆様、今年もお世話になりました。来年も、よろしくお願い申し上げます。
さて。
写真は、この辺。北東の工場マークのところがひまわり乳業ね。
ここを地理院地図の土地条件図で見ると、こうだ。物部川に現在のような堤防がない時代、この東側は氾濫原だったこと、わかります。この西は、東より一段高くなってて、その一段高い場所に古くからの集落が、あります。こんな感じで。
その段差のところに水路があり、石積み。石積みの上に漆喰塀。ここにはこういった造りの家々が並んでます。そう。もう気付かれたかも知れんけど、今朝は石積みの話だ。ふふふ。
この界隈の石積みに一番多い石は、丸石。砂岩が川の流れによって丸くなった、丸石。ここは物部川の氾濫原だから、いたるかしこに転がってる石ね。ここにも、石積みの材質は近所で手に入りやすい石、という法則は貫かれてます。
その丸石を俵積みにしたのが、この石積み。俵積み。「石の中心を小谷に落とす」と、愛読書「石積みの秘法とその解説」に書いてあります。並べた石の、石と石の真ん中に、その上の石を並べていく方法。これは、実はそんなに強度のある積み方ではなくて、外観が良い、見栄えのする積み方なんだそう。だから、コンクリートとかを隙間に流し込んで補強したりも、してます。
川の擁壁とか、大きな家の石垣とか、強度を必要とする場合は、こんな積み方しません。丸石で、流れが早い川の擁壁に詰む方法には「鬼積」とか「丸石谷積」とかが、あるんだそう。見てみたいですね、どんなのか。
ともあれ、ここから西が古くからの集落。東側は氾濫原ということもあって、田畑が広がります。
弊社は、物部川と氾濫原に挟まれた自然堤防の上の盛り土上に、建てられてます。
この道を南下した突き当たりは、国道55号。物部川を渡るために高架になるところ。その橋の側道を今朝は掃除したけど、タバコの吸殻、多いっす。拾うゴミのほとんどがタバコのフィルター。いかがなものか。
その側道は、普通の道路に見えるけど、実は「橋」なのであります。横から見ると、確かに、下に隙間があって南側の側道の下とつながってます。そこには「咥内避溢橋」と書かれた銘板。
避溢橋。これ、れっきとした土木用語で「ひいつきょう」と読むんだそう。知ってました?
溢れるのを避ける橋。
ここは、大雨が降ったら、水路が増水して田んぼの上まで氾濫する可能性がある訳で、その場合、土盛りの道路がここを遮断してしまうと、北側で水が滞留して洪水になってしまうかも可能性がある訳で、そうならんように道路の下を水が流れるようにしたのが、避溢橋、という訳ですね。
またひとつ、勉強になりました。
石積みも、避溢橋も、古来つみあげられてきた人類の知恵の所産。その文脈の上に、僕らの平和な暮らしがあることを感謝しなくては、と、おびただしいタバコの吸い殻を拾いながら、思いました。