民俗とおとぎ話とSFと思想〔6090〕2019/12/18
2019年12月18日(水)曇り
昨日、岐阜県からのお客様と飲んでました。その方は、故坂東眞砂子さんの大ファンで、このにっこりひまわりに坂東眞砂子さんのことが書いてあるのをみつけ、連絡をとってこられました。せっかくなので、いつも坂東さんと飲んでたお店で、坂東組のメンバーの方にも来ていただいて、坂東さんのことなど、たくさんお話しました。いやー、楽しかったです。
わざわざ、岐阜県から高知までやって来られた訳だから、かなりディープなファン。でも、作品のことはご存知でも、素の坂東さんをご存知ない訳で、昨夜はそれこそディープな坂東話で盛り上がったことでした。坂東さん、ごめんなさい(笑)。
坂東さんは、ご自分で、徹底的に取材してから小説を書かれます。高知の山中の伝説を題材にした作品も多いので、高知の民俗や伝承にはとても詳しかったですね。その辺、僕もかなり共感してました。いや、そんなこと言うとおこがましいけど。
今朝の高知新聞。学芸面に、「土佐の民話の魅力語る」という見出し。県立大で、そんなシンポジウムが開かれたという記事。まさに坂東さんが愛したような、伝説伝承の類を紹介し、語り合った訳で、こういった試みは素晴らしいな、と思うのでありました。このにっこりで幾度も書いた七人みさきのこととかが挙げられてたとのこと。
その上の記事がこれまた、おとぎ話のこと。小松左京と星新一という、日本のSF黎明期の巨匠について書かれてて、小松左京さんが、桃太郎の話はSFそのものであると語った話が出てます。そう。おとぎ話は、どれもSFだ。
星新一さん。小松左京さんとの深夜の電話の中で、当時流行ってたスプーン曲げのユリ・ゲラーの話になり、「イザナギ・イザナミが日本列島を曲げたのなら、ユリ・ゲラーに元に戻してもらえばいい」と話してたんだそう。すごいね。そういう発想が、あの魅力的な作品群を生み出していった訳ですな。中高生の頃、貪り読みました。
1970年の大阪万博には、小松左京さんや梅棹忠夫さんなど、大変な思想をもった方々が関わり、成功させ、その後に民博を残したり公園を残したり、なにより僕らの記憶に大きな痕跡を残しました。この新聞の社会面には、大阪万博が4月13日に開幕、という記事もあるけど、心配するのは、あのときのようなテーマ、思想があるのか、ということ。
この国の未来を、どう考えるのか。今回の大阪万博には、小松左京も梅棹忠夫もいない。
この記事に「おーい でてこーい」のこと、書いてます。
都合の悪いものをぜんぶ捨ててしまえる便利な穴。そして印象的なラスト。
捨ててしまってなかったことにするの、流行ってるけど、それは将来、しっぺ返しになって戻ってくるよ、という、話ね。なんとタイムリー。
なんの話でしたっけ。
大切なのは、思想。民俗を知り、歴史を知り、そして現在を、未来をかんがえる、思想。
そんなこと、今日の新聞は考えさせてくれる。