地球と知恵と努力と〔6024〕2019/10/13
2019年10月13日(日)台風一過
高知は台風一過。雲ひとつない秋空。でも、台風19号の被害は拡大しています。こんな時期にこんな巨大で強い台風がやってくる。トランプがどう言おうが、確かに人類は、地球が今まで経験したことのないような急激な変化を、この地球にもたらしているんだと思います。
今、千曲川の氾濫の様子をニュースでやってますが、みんな命だけは確保して欲しいですね。新幹線なんかは、また、作ったら良いし。
それにしても、ヘリコプターからの河川氾濫の映像、毎年見てます。九州だっり広島だったり愛媛だったり。今回は、千曲川だけではなくて、かなり広いエリアで河川氾濫が起きてます。そろそろ僕らも、僕らが住む星のこと、考えんと。
今朝は、舟入川沿いを走ってきました。写真は葛島橋の西詰、歩道橋の上から撮影したもの。鉄橋の向こう、葛島から朝日が昇る。
あの葛島。幾度も書いてきたけど、かつては古浦戸湾に浮かぶ小島で、周辺が陸地になり、人が住むようになってからは、大切な命山になりました。
かつて海だった周辺は、津波や洪水によって浸水します。その際、あの小山は避難タワーとなり、人々の命を守ってきた、そんな歴史。
1707年の宝永南海地震の際、土佐藩の役人、奥宮正明さんが、その被災状況を克明に記したのが谷陵記。こんなところで読むことできる、谷陵記。そこに記された、五台山から葛島にかけての被災状況を、今一度、転載します。
五台山 潮ハ山マデ 家ニモ
吸江 上ニ同ジ
八頭 潮ハ山マデ 家ハ軒ヲ浸シ冬ヲ終テ干落ザレバ 居民所ヲ失ヒ 山處穴居ノ有様 目モアテラレズ
桂島 上ニ同ジ
こんな感じ。桂島が葛島。みんな、あの小山へ避難した。
昭和21年の昭和南海地震の際にも、みんな、あの小山へ避難した。たぶん、次の南海地震でも、みんなあの小山へ避難するんだと思います。
昭和南海地震の時は、あの小山は個人の持ち物でした。地震後、地下水に海水が混じるようになって、この周辺の家々は、お水、使えんなってしまいました。しかし、あの葛島の井戸だけは、真水が湧き出る。そんなわけで、地震後しばらくの期間、みんな、葛島の真水をアテにした、という歴史があるそう。長期間、個人の山と井戸を使うのは憚られるし、もし断られたらそれまで。そこで、将来の災害時を見越して、地域住民79名が共同で葛島を買い取り、地域共有の避難所、飲料水確保場所としたのでありました。先人の、知恵と努力。
大自然の災害から身を守る。そんな知恵や努力は、過去からの積み重ね。そんな積み重ねをアッという間に押し流してしまう、昨今の自然。
人類は、これからも、大自然の脅威と折り合いをつけていかんといけません。だから、先人がそうしたように、もうちょっと知恵を使い、努力をせんといかんと、思う台風一過の朝。