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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

大言海〔5939〕2019/07/20

大言海

2019年7月20日(土)曇り

今日は会社。昨日のお昼、東京から戻ってきました。そんなにガイな雨も降らんかったようで、このまま来週梅雨明けしてくれたらとても嬉しい。お願いします。

 

こないだ、北原白秋の評伝読みました。美しい言葉、日本語で、たくさんの詩や童謡、短歌などの作品を世に出した北原白秋。特に童謡の歌詞は、僕らにも馴染み深くてすばらしいのが多いっすよね。あの時代の人たちの、日本語に対する感性というのは、良い。良いね。宮沢賢治とかも、そう。

その評伝の最後の方に、北原白秋が使ってたと思われる辞書のことが、少し出てました。どうやら、「言海」らしい。そうか。「言海」か。もしかしたら昭和になってから刊行された改訂版の「大言海」かも知れんけど。

 

「言海」「大言海」は、明治期から大正、昭和初期にかけて、大槻文彦さんという国語学者が編纂した国語辞書。ほとんどを一人でやったという、すごい国語辞書。もちろん、錯誤や間違いも無きにしも非ずだけども、とにかく言葉への愛情がすごいのね。網羅も網羅も網羅も網羅。今はもう使わなくなったような日本語が、たくさんの使用例とともに解説されております。

これは手に入れてみなくては、と思って探すと、古書で、ありました。早速購入。ちらりと読んでみたけど、期待以上のものすごい本でした。

 

本の厚さは10cmくらいあります。夥しい言葉を、ひとつひとつ、自分で調べて解説し、校正しております。用例は、古典の中で実際につかわれている場面からの引用。この作業だけでも気が遠くなるよね。PCもないのに。

美しい言葉も多い。北原白秋の美しい言葉は、この辞書がなかったら生み出されてなかったのかも知れないと思えるほどに、本当に大きな言葉の海。

 

「言海」は、文部省の仕事として編纂せられ、明治19年には一応の完成を見るのであるが、予算の関係だかなんだかで、文部省は刊行を渋る。そこで大槻先生は、明治24年に自費出版したんだそうである。その「言海」を改定増補し、つくりあげていったのが、昭和になり、大槻文彦さんが亡くなった後の昭和7年に発行された「大言海」。

その後、度々の新版が刊行され、今回僕が手に入れたのは昭和31年に初版が出された「新訂大言海」の54版。人気、あるんですね、これ。長い長い長い年月売れ続けているんだ。

 

梅雨の項目を、見てみた。

露けき時節ノ義、梅實ノ熟ユル時ニ寄セテ云フ・・・・・・・・

長い長い説明が続きます。

同じページの他の項目も、ついつい読み込んでしまうね。

 

「つやつや」

[一切] サラサラニ。イササカモ。スコシモ。毫モ。全ク。一向ニ。絶エテ。下ニ否定ノ語ヲ置ク。

この後に、用例を長々と古典から書き抜いてますけど、省略。

 

写真は「つゆ・はらひ」

横綱の土俵入りで露払いというのが出てくるけど、その語源は、初めて知りました。

古へ、禁裏ニ蹴鞠ノ御會アル時、加茂人參リテ、出御以前ニ、先ヅ 鞠ヲ蹴テ、懸ノ樹ノ露ヲ払ヒ落スコト。又、ソノモノ。

なるほど。そうだったのか。

 

とにかくまあ、ついつい読み込んでしまうような辞書であるのは間違いないです。日本語って、奥が深い。

 

個人で漢字の辞書をつくった白川静先生も巨大だけど、大槻文彦先生も、間違いなく巨人であります。

ちなみに「大言海」を昭和7年に刊行したのは、冨山房。今もあります。冨山房。今回買ったものは。冨山房創立七十周年記念出版の新訂版。その冨山房を設立したのは、宿毛出身の坂本嘉治馬さん。同郷の小野梓さんが経営してた東洋館に勤務し、小野先生亡き後、小野梓の兄の小野義眞さんの援助によって設立されたのが、冨山房。

その、高知に縁のある冨山房にてこの大著が刊行され、今も刊行されつづけているのであります。

ホームページ見てみたけど、面白いね、これ。面白そうな本ばかり。こんな本ばかりで大丈夫か?冨山房。と、思ってしまうような、素敵な本ばかり出版しておられます。

 

ちなみに「大言海」amazonで見ると、新刊19,503円。

ぼくは、古本で買いました。最後の発行者とか発行所とか買いてるページには「大槻」という赤い印鑑を押したシールも貼ってあります。嬉しい。

せっかく手に入れたこの辞書、僕は、古本屋とかに売ってしまうつもりは、つやつや、ありません。


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