地道にシマカに楽しみながら〔5923〕2019/07/04
2019年7月4日(木)薄曇り
雨、上がってます。昨日、晴れた山陰から雨の高知へ戻り、業界の会合。中四国の業界仲間が集まってたので、会合の後の懇親会の後は、ひろめへ。高知らしさを楽しんで頂けましたでしょうか。
今朝は雨も上がり、青空も垣間見えるお天気。おだやかな、朝。
こないだ少し、文化遺産について書いてしまいました。そんなこんなでモヤモヤしてたら、今朝の高知新聞。心温まる、文化の記事が載ってたので、ご紹介しよう。
戦前の小筑紫方言集発見、という見出しね。
昭和初期に小学校教員をしながら幡多方言を研究し、小筑紫地域の方言集を作成した方がいました。この度、遺品を整理されていた遺族の方が見つけた、という方言集。これはなかなか、面白い。
言葉というのは、時代で、どんどんと変化していくもの。たぶん、奈良時代平安時代に土佐人がしゃべってた言葉と、中世の言葉と、江戸時代の言葉、それに現代の言葉は全然違うものだと思われます。
かつて、「ぢ」の正しい発音ができるのは土佐人、てなこと、言われてましたよね。この「ぢ」は、Diに近い、今はもう日本語から消えてしまった発音らしい。ついこないだまで、しゃべってたのに。そんな風に、あっと言う間に言葉は変わってゆく。
だから、戦前、昭和初期の幡多弁、小筑紫方言集というのは、貴重っすね。小筑紫というと、宿毛市。宿毛から大月へと向かう途中。
その方言集を作成したのは、故佐竹一男さん。小筑紫出身の、小学校の先生。この記事読むだけでも、その研究の風景が見えてくる気がします。
「ザマケモナイ」(ザマナの誇張)
「ウチノオトヤンが、ザマケモナイイオ ツットーエ」
例文が楽しい。うちの父ちゃんが、ザマな魚を釣った、てな意味ね。ザマな、は、今も幡多弁でよく使われる「すごい」「とんでもない」みたいな意味の言葉ね。それを更に誇張する「ザマケモナイ」。これ、幡多の人が喋っている風景が目に浮かぶよね。
「スッコム」(黙って遠慮する)
「ワシャーコンドワ、スッコンジョルケン、何モイワントオイチョイチクレタヨ」
エイね~。例文が、エイ。オイチョイ「チ」とか、クレ「タヨ」とか、嬉しくなるではないか。やっぱし宿毛はイッチキチモンチキチやけん。この方言集を研究している高知大学上野名誉教授のコメントに「面白がって調査をし、・・・」とあるように、佐竹先生、かなり面白がって調査してる雰囲気が溢れてますよね。これだよ、これ。
面白がる、というのが良いですよね。おんちゃんおばちゃんに、自由にしゃべらせといて方言を取り出す。面白がりながら。
文化の調査、研究というのは、そんな面白がる好奇心が大切ね。地道に、シマカに、面白がりながら。ちょっと、心洗われました。
この左にバカバカしい、悲しくなるような記事があって、その対称性、コントラストがすごかった高知新聞の朝。