四万十川入田の朝〔5772〕2019/02/03
2019年2月3日(日)薄曇り
昨日の午後、汽車で宿毛へ。夜は中村まで汽車で帰って、泊まってました。
久々の、中村の朝。朝6時にホテルから走り始める。まだ、真っ暗い道を走って四万十川左岸、不破八幡宮さんへお参り。一条教房さんが京の石清水八幡宮さんから勧請してきて始まった不破八幡宮さんが有名なのは、神様の結婚式。秋の例大祭の際に、不破八幡宮と、もっと下流の初崎に鎮座まします一宮神社が一緒になって執り行う神様の結婚式。これは、有名。
一条氏が中村へやって来た頃、「嫁かたぎ」という蛮風が盛んだったので、住民たちに「結婚」の正しいあり方を教えるために始まったとされます。効果があったのかどうなのか。民俗学的には、結構最近まで「夜這い」とともに「嫁かたぎ」は日本のあちこちで行われてました。たぶん、中村でもね。一条さんの願い虚しく。
その不破八幡宮さんから、国道56号線の「渡川大橋」を右岸へ渡って、右岸を遡上しました。四万十川橋、通称赤鉄橋を過ぎ、どんどんと堤防の上を遡上する。入田。四万十川沿いの入田には、縄文晩期から弥生時代にかけての遺跡が存在します。田んぼとか。日本でもかなり早い時期から、水田耕作が行われていた四万十川の扇状地。
今朝は、途中から引き返しました。帰りは土手道から河川敷へ降りて、未舗装の道を、走る。適度の森があって、なかなか風情がある河川敷。そこに「入田地区マイヅルテンナンショウ生育地保護区」と書かれた大きな看板がありました。高知県が立てたもの。高知県希少野生動植物保護条例に基づいての保護区なんだって。
初めて聞いたマイヅルテンナンショウ。どこで区切って読むんだ?
なんか、ギシギシに似てる、どこにでもありそうな植物だけども、なかなか貴重なんだそう。道の脇にはロープが延々と張られ、生育地には入って行けんようになってます。でも、たくさん、朝霜に覆われながら生えてました。朝日がを浴びて輝く赤鉄橋とマイヅルテンナンショウの風景を撮影できたので、今朝はそれにしようかと思いました。思ってました。
思いながら河川敷を走ると、少し脇道を入った向こうに幻想的な風景が、見えた。脇道を降りて近寄ってみると。この風景。
寒い朝。川面から立ち上がる、湯気のような靄。その向こうに赤鉄橋。
川はミルキーウェイのように、白い。湖のように静かな白い川面。冬枯れの樹々は、色を失う。赤い鉄橋。黄金色のお日様。
なんとも言えぬ朝の風景に、心洗われました。今日の写真は、これだ。
入田で暮らした縄文人も、こんな美しい風景を見ていたのか。なんという贅沢。赤鉄橋はなかったろうけど。
良い、早朝RUN。さすが、四万十。この隠れスポットには誰も居ない。四万十の美しさを身体全部で堪能できた、朝。
ここから帰る道すがらには、もう、菜の花が咲き始めてました。