宇宙の中の、自分の居場所〔5669〕2018/10/23
2018年10月23日(火)小雨
今朝起きたら雨が降ってました。
ここは会社の、僕が仕事したりしている部屋。その窓に、こんな小さな黒板置いてます。松山の東急ハンズで買ってきた、なかなか可愛らしい黒板。これに、自分の居場所を書いたりする訳だ。宮沢賢治みたいに。
下ノ畑ニ居リマス
宮沢賢治が若き晩年を過ごした羅須地人協会兼自宅に、賢治自筆で、そう書かれた黒板がありましたよね。なんか、宮沢賢治のイメージそのままの、黒板の書き置き。
去年の直木賞は、門井慶喜さんの「銀河鉄道の父」でした。宮沢賢治の父の目線から宮沢賢治を描いた小説。透明で純粋で真面目な賢治のイメージを覆す、でも、とても人間味あふれる、温かい本でした。門井慶喜さんの本でも、やはり、これが一番面白いと思う。
それはさておき、黒板に書き置く自分の居場所。ホワイトボードにボードペンで書くのとは違う、そこに「人間」が居ますよ、という感覚が、好きです。
自分の居場所と言えば、昨日の流星群の話。流星群は、空の(昨日の場合はオリオン座の)ある一点から放射状に現れます。その点を放射点とも輻射点とも呼ぶそう。それは、地球が公転運動で秒速約30kmという高速で宇宙を進み、その反対方向から彗星軌道に残ったチリや砂が飛んで来ることによる。つまり、地球があの放射点に向かって進んでいるんだ。正確には、彗星の砂やチリが進む方向と地球の進行方向のベクトルによって決まるけど、まあ、それはそれ。概ね、地球は、その放射点に向かって進んでいるのだ。
高速道路を走っていて、前方の消失点から風景が放射状に広がってくるように見えるのと、同じ。だから流星群を見ることは、僕らが宇宙の中のどこに居て、どっちに進んでいるのかを体感している、ということになる訳だ。と、思う。それって、すごいことだと思うんですね。宇宙の中のどこに自分が居て、超高速である方向に進んでいることを体感する。すごい。
あと、僕らが太陽系の中に居る、ということを体感することも、ある。
今の時期の早朝はダメですが、時期や時間によっては、全天に火星、金星、木星、土星などの惑星を一度に見ること、あります。その並びを見てみると、少し弧を描いてるけど一つの線状に並んでいる。これは、太陽を中心として、同一面上に惑星の軌道がある、ということ。
自分が居る地球、そしてその惑星たちを結ぶ線は、太陽系の惑星軌道面なのである。そう思いながら夜空を見上げると、自分が、巨大な太陽系の軌道面の上に居る、ということを見事に体感できるんですね。言うてること、わかります?
とにかく、太陽系の中での自分の位置、宇宙の中での自分の位置が、惑星が線上に並ぶことで体感できるのであります。空に見える軌道面の傾きは、現在の地球上での自分の居る位置の傾きそのものなんだ、と実感する。言うてること、わかります?
自分がこの巨大な宇宙の中の、この場所に居る、ということを確認する。
自分の居場所を確認する。
これは、とても大切なことだと思います。色んな意味で。
この黒板は、自分の居場所を確認する道具立ての、ひとつです。