空港の立地〔5660〕2018/10/14
2018年10月14日(日)晴れ
今日は、とてもめでたいことがあって、空港へ。高知空港。
この高知空港は物部川の扇状地、河口近くの広い場所に、所在します。幾度も書いてきたように、最初は海軍航空隊の飛行場として建設されました。
同じように、阿武隈川の扇状地、河口近くにつくられているのが仙台空港。同じような境遇にある、ということで、仙台空港がある岩沼市と、ここ南国市は姉妹都市提携結んでるんですね。あまり知られてないけど。東日本大震災の折、姉妹都市ということで、南国市が岩沼市への救援物資を募ったりしてましたね。
高知空港の脅威は、仙台空港と同じ。津波は、滑走路を覆うようにやってきます。
空港の脅威といえば、こないだの関西空港。柔らかい地盤の上に構築された海上空港の弱点を晒してしまいました。騒音対策や用地買収など、利点も多いけど、そんな問題もあった海上空港。
昨日、車で長崎道を走っていたら、大村湾の方へと高度を下げていく飛行機が見えた。長崎空港。大村空港とも呼びましたっけ。あの空港も、海上空港。ほとんど湖のような大村湾内の飛行場なので、津波の心配は、ない。波も静かそう。完全に人工島ではなくて、中期更新世にできた安山岩、玄武岩類の島を利用し、造成されてますね。関西空港よりは固そうだけども、どうなんでしょうか。
九州の飛行場は、鹿児島空港とか熊本空港とか、シラス台地の上に作られているのが多い。
シラス台地というのは、過去の、火山の大噴火による大規模火砕流によってできた台地。普通ね、地層というのは縞々になっているもの。ですが、その火砕流の層は、場所にもよるけど、単独層としてとても厚い。どういうことかと申しますれば、一度の火砕流で、何十メートルものマグマなどの層が、できた。高温の火砕流が一気に台地を覆ってしまったのが、シラス台地。だからなだらかで広い場所となり、飛行場をつくるのに適している、という訳だ。
鹿児島空港があるのは、3万年前に大爆発した姶良カルデラから噴出した入戸火砕流によってできたシラス台地の上なんですな。姶良カルデラは鹿児島湾を形成してるカルデラね。
3万年前に、そんな凄まじいことがあった。ほんの、3万年前に。
今、同規模の噴火と巨大火砕流が発生したらどうなるか、想像するだに恐ろしい。
3万年前は、南九州に現生人類が到達してなかったかも知れんけど、たくさんの縄文人が暮らしていた7300年前、鹿児島の南の鬼界カルデラが大噴火する。数100℃の火砕流が時速100kで海を走り、薩摩半島、大隅半島を襲う。その痕跡が1mの地層となって残っており、南九州で暮らしていた縄文人は、全滅してしまったと想像されてます。
それから後、日本では大規模なカルデラ噴火や大火砕流は発生してない。北から南まで、たくさんの火山、カルデラがあるけど。
3万年前とか7300年前とか、地質年代でいえば一瞬のこと。
そんな土地の上で、僕らの繁栄は成り立っているいるのでありますね。
大地震。超巨大噴火。巨大津波。それは、必ず、必ず、起こるもの。いつ起こるかはわからんけど、必ず。